乳児クラスでの遊びは、発達の差が大きかったり、まだできることが限られていたりするので、何をしようか迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか。
今回は、0歳児・1歳児・2歳児向けにゲーム性のある室内遊びやねらいについて紹介します。
年齢別 乳児向けの室内遊びのねらい
乳児向けの室内遊びには、年齢ごとに遊びのねらいが異なります。年齢によって知育から受ける影響や感受性が異なるためです。年齢別にどのようなねらいがあるのかを解説していきます。
0歳児の室内遊びのねらい
0歳児は周りのものをどうこうするよりも、まずは自分の手指を動かすことが楽しい時期です。保育者やおもちゃを通して、自分の五感を育てることが大切な時期になります。
1歳児の室内遊びのねらい
1歳になると自分の足で歩いて・走って・掴んで・投げて、と自由に体を動かせるようになってきます。保育者とボールを投げ合ったり、おもちゃを動かしたりすることで体の知育も一緒に行っていきます。
2歳児の室内遊びのねらい
2歳になると、周りとの関係性を感じ取れるようになります。ずっと一緒にいた両親だけでなく、これまで関わったことのない友だちとの社交性を育むことになります。おもちゃを通して友だちと会話の練習や相手の気持ちを汲み取る経験になります。
保育でおすすめの室内遊び
年齢別に室内遊びをするねらいについて解説しましたが、続いては具体的におすすめの室内遊びについてご紹介します。
室内でできるゲームや運動遊び: 0歳児向け
まずは0歳児向けです。0歳児はおもちゃを使って自分の五感を養うことが目的になります。
風船遊び
風船を使った遊びがおすすめです。風船は普通のボールとは違い軽く、ゆっくりと動くため、まだ満足に体を動かせない赤ちゃんには扱いやすいおもちゃです。
また風船という柔らかく・弾力のある感触を体感したり、それを掴んだり投げたりするといった運動が五感をフルに活用した遊びなのです。
さらにビニールプールを使うことで、風船が水に浮くという現象を感覚的に感じることができます。
ハイハイゲーム
ハイハイゲームはちょっとした障害物レースです。段ボールでトンネルを作ったり、フワフワのマットを置いたりして、普段のハイハイに刺激をプラスします。
トンネルという普段見慣れないものの中に入る好奇心や経験、途中にぬいぐるみを置いたり、トンネルの途中に穴をあけたりするとさらに遊びが楽しくなります。
ハイハイすることで手から得られる感触・目の前の変化する景色・次に何があるのかという好奇心など、五感をフルに使って遊べます。
室内でできるゲームや運動遊び: 1歳児向け
1歳児向けの遊びは体全体を上手に使う遊びが多くなります。
手遊び
1歳は手先が自由に動かせるようになってくるため、手遊びゲームはより細かく正確に動かす練習ができます。
また音楽に合わせながら手遊びすることでリズム感を養ったり、歌を歌いながら指を動かしたり、2つの動作を同時に行う練習にもなります。
魚釣り
紙コップなどで海の生き物を作り、そこにクリップを留めて釣り上げる動物を作ります。そして割りばしにタコ糸をつけて、その先に磁石を付けます。
上手に磁石とクリップが触れ合うと、動物を釣り上げられるというゲームです。ゆらゆら揺れるタコ糸の先の磁石とクリップをくっつけるためには、手先や腕の繊細なコントロールが必要です。
最初は思い通りにならない道具を、コツを掴むことで上手に操作する、という達成感を遊びで感じることができます。
ボーリング
新聞紙を丸めてボールをつくり、紙コップの口部分をつなぎ合わせたものをピンにすることでボーリング遊びができます。
ただ漠然とものを投げるだけでなく、狙ったものにボールを当てるという自分の動きを調整する能力を育てることができます。
玉入れ
カゴを用意して、新聞紙を丸めたボールを投げ入れる遊びです。お子さんの成長とともに、カゴを大きくしたり小さくしたり、調節してあげることをおすすめします。
室内でできるゲームや運動遊び: 2歳児向け
2歳児向けの遊びは相手がいるゲームを使って社交性を養う遊びがおすすめです。
だるまさんがころんだ
だるまさんがころんだは昔から行われている遊びの王道です。相手のタイミングで動きを止めて、相手のところまで歩いていくという動作から、相手の様子を観察したり、行動を予測したりする能力を養います。
しっぽ取り
2歳になる頃にはすっかり自由に走り回れるようになります。お互いのしっぽをとり合うしっぽ取りゲームは走る練習だけでなく、体力をつける遊びとしても優れています。
絵合わせ
絵合わせは簡単なパズルゲームに相当します。バラバラになっている絵を完成するように並べるというゲームです。
絵を完成させるためにピースを上下させて、完成図を予測しながら試行錯誤していく、という遊びが想像力や集中力を鍛えてくれます。
室内遊びを楽しむコツと注意点
年齢別の具体的な遊びを説明したところで、次は遊ぶ時のコツや注意点について説明します。遊びは楽しく継続できるものが理想的です。お子さんがより楽しく遊べるように、周りの大人たちがサポートしてあげましょう。
子どものペースにあわせる
遊ぶときはお子さんが最優先です。遊び内容によっては手こずってしまうことがあるかもしれません。
そんなときは少し難易度を下げてあげて、より遊びやすいようにしてあげましょう。遊びは「できた」という達成感がとても重要です。そこで得た成功体験は、その後の意欲や好奇心の向上につながります。
大人も一緒に楽しむ
お子さんが楽しむためには、大人も一緒に楽しみましょう。子どもは周りの大人の表情や動きを敏感に感じ取っています。そのため楽しくなさそうにしていると、子ども側はこの遊びは楽しくないものなんだ、という認識に切り替わってしまうおそれがあります。
室内遊びの環境を整える
あまり動かない遊び方であれば問題ないですが、少し大きく動くように遊ぶ場合はスペースを十分に確保しましょう。周りに危険なものはないか・足元につまずきそうなものは置いてないか・ぶつかってもケガしにくいかなど、よく確認しましょう。
子どもの生活リズムは崩さない
楽しく遊んでいると、興奮してつい寝つきが悪くなったり、食事そっちのけで遊びに没頭したりすることもあります。しかしお子さんの生活リズムは崩さないように気をつけ、特に睡眠リズムは守りましょう。子どもにとって睡眠はとても大切です。
興奮すると寝つきにくくなるため、眠る前は遊ばないようにするなど、リズムを保つための工夫をするように心がけてください。
さまざまな室内遊びで身体を動かそう
今回は年齢別におすすめな子どもの室内遊びについてご紹介してきました。ひとつ注意いただきたいのは、知育によいゲームといっても、こども一人一人に好みがあって興味を示すものが違うということです。
遊び方によってずっと遊んでいる子もいれば、すぐに飽きてしまう子もいます。しかし、どちらが良くて、どちらかが悪いということはありません。お子さんそれぞれに合った遊びがあるのです。
ただ、せっかく購入したおもちゃを遊ばずに置いておくのはもったいないです。そういったときはまずレンタルでお試ししてみるのはいかがでしょうか? 気に入ってくれたときは新しいものを購入し、興味を持たなかった場合は返却するだけで済みます。ぜひレンタルも検討してみてくださいね。