6歳未満の子どもが法律で着用を義務づけられているチャイルドシート。その中でも最近注目されるようになってきた「R129（i-Size）」は、チャイルドシートに関わる最新の安全基準です。従来は子どもの「体重」を基準としてきましたが、最新基準では「身長」を目安に使用をすることになります。
日本メーカーのチャイルドシートでもR129（i-Size）に対応した機種は増えてきましたが、これまでの安全基準とはどのような違いがあるのでしょうか？
今回はR129の高い安全性についての解説と、おすすめの商品を紹介します。
新安全基準R129・i-Sizeとは
新安全基準R129・i-Sizeとは、国連欧州経済委員会が定めたチャイルドシートの最新の安全基準のことです。従来の安全基準「ECE-R44」から、さらに安全対策が強化されています。
ヨーロッパは自動車の先進地域であり、そこでの安全基準は国際的なスタンダードとなっています。現在日本で販売されているチャイルドシートの多くはECE-R44基準のものですが、これからは赤ちゃんにとって、より安全なR129・i-Sizeがメインとなってくるでしょう。
旧規格ECE-R44との違いを徹底比較
チャイルドシートの最新安全基準「R129・i-Size」は、旧規格ECE-R44とどのような変更点があるかを比較していきます。
装着基準が体重から身長に変更
チャイルドシートを選ぶとき、これまでは体重が基準だったものをR129・i-Sizeでは身長に変更されました。体重は個人差が大きく、発育状況に合っていないシートを使用してしまう恐れがあります。身長基準にすることで、子どもによりフィットしたものを選べるようになりました。
後ろ向きチャイルドシートの着用義務が生後15ヶ月までに変更
チャイルドシートを後ろ向きに装着する義務が、旧規格は生後12ヶ月頃（体重9kg未満）までだったものが生後15ヶ月未満までに変更されました。（15ヶ月を過ぎても身長76cm未満の場合は前向き装着できません）
後ろ向きに装着していると、万が一の事故のさいにチャイルドシート全体で衝撃を受け止められ、負荷を分散できます。未熟な赤ちゃんを守れることが実証されているため、後ろ向き装着期間が長くなり安全性が高まったのです。
衝突実験が追加され、より高い安全性が必要に
R129・i-Sizeでは旧規格の前面衝突・後面衝突試験に加え、側面衝突試験が追加されました。さらに頭部・頸部などに多数のセンサーがついたダミー人形を使っての衝突試験も行われます。これにより赤ちゃんの体にかかる負荷を精密に測定し、新生児からより安心して使えるようになりました。
ISOFIX固定式の標準化でミスユースを防止
チャイルドシートを車に固定する方法は、シートベルトを利用する方法とISOFIX固定があります。ISOFIXとは、自動車の後部座席に内蔵された金具に、チャイルドシートのコネクターを差し込む新しい取り付け方法のことです。
旧来のシートベルトで固定する方法は、締め付け不足によるミスユース（取り付けミス）が発生しやすい傾向がありました。一方ISOFIXは金具を差し込むだけなので、簡単かつ確実に装着できます。
ISOFIXは取り付け金具が装備されていない車種もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。目安としては、2012年7月以降発売の新車にはISOFIXの取り付け金具が装備されています。
R129・i-Size適合チャイルドシートのおすすめ
ここからは安全の高いR129・i-Sizeに適合したチャイルドシートの中でも、特におすすめの商品を紹介します。
Britax Romer（ブリタックスレーマー）｜BABY SAFE i-SIZE
生後15ヶ月頃、身長83cmまで対応した後ろ向き装着専用のチャイルドシートです。別売りのFLEX BASEを使用してISOFIX固定ができます。シートベルト固定もでき、幅広い車種に取り付け可能です。
高度な側面衝撃保護機能を搭載しており、赤ちゃんの頭部・頸部をしっかり守ります。新生児もしっかりホールドできるインサートも装備。ヘッドレストの高さ調節により、肩ベルトの位置と背もたれの角度が変わり、赤ちゃんの成長に合わせて最適な姿勢に調節できます。
Aprica（アップリカ）｜クルリラ プラス 360°セーフティー AB
新生児から4歳頃まで使える回転式のチャイルドシートです。ISOFIXで簡単に固定が可能。R129基準に加え「サイドシールド」「全身マモールクッション」搭載により、赤ちゃんを衝撃からしっかり守れて安全性も抜群です。
また赤ちゃんの腹式呼吸を圧迫しない工夫もされており、内角130°のシートにより快適な姿勢を保てます。
cybex（サイベックス）｜シローナ Z I-SIZE
ドイツの人気ベビー用品ブランドのチャイルドシートです。ヨーロッパならではの安全性能に加え、デザイン性や使い易さにもこだわっています。
ISOFIXで簡単に取り付けできるのはもちろん、ヘッドレストの高さを調節するだけで肩ベルトの位置も変わるので、子どもの成長に合わせて簡単に調整可能。後ろ向き・前向きどちらでも片手で簡単にリクライニングできます。
Combi（コンビ）｜THE S ISOFIX エッグショック
片手で360°回転できるチャイルドシートです。成長に合わせてシートの長さを調節でき、新生児から4歳頃までと長く使用できます。ベースとシートがセパレートの構造なので、軽くて取り付けもラクラク。
R129基準で赤ちゃんをしっかり守ってくれるのに加え、コンビ独自の衝撃吸収素材「エッグショック」を搭載。産まれたての赤ちゃんの頭部をしっかりサポートしてくれます。
Aprica（アップリカ）｜フラディア グロウ ISOFIX セーフティープラス
フルフラットになるのが特徴の、回転式チャイルドシートです。平らなベッド型になることで、産まれたばかりの赤ちゃんの呼吸に負担がかからず快適に過ごせます。
「サイドシールド」「全身マモールクッション」が搭載されており、赤ちゃんを衝撃からしっかりガード。成長に合わせてベッド型からゆったり座れる後ろ向きシート、前向きシートへと変更ができ、新生児から4歳頃までと長い期間使用できます。
安全なチャイルドシートを選ぶならR129とISOFIXをチェック
チャイルドシートを選ぶ際に最も重要なのは「安全性」です。これからチャイルドシートの購入を考えている方は、最新安全基準R129（i-Size）を選ぶと安心ですよ。
今回紹介したように、チャイルドシートにはさまざまな種類があります。それぞれの安全性や取り付け方をきちんと理解した上で選び、正しく使用すればしっかり子どもを守ることにつながります。大切な赤ちゃんのためにも、安全かつ快適なチャイルドシートを用意してあげましょう。
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