子どもが生まれたら、車でお出かけするときのためにチャイルドシートの準備が必要です。ただし電車やバス、徒歩での移動がほとんどで、車に乗るのは帰省時や旅行時だけという方も多いのではないでしょうか。
今回は、帰省時などに持ち運びしやすい軽量コンパクトなチャイルドシートについて、選び方やおすすめを紹介します。
持ち運びが楽になる軽量コンパクトチャイルドシート
チャイルドシートは6歳未満の赤ちゃん・子どもを車に乗せるときに必要不可欠なアイテムなので、軽量コンパクトな製品を選ぶと持ち運びにも便利です。
チャイルドシートの中には15kgもある重い製品や、50cm以上の幅広タイプもあり、持ち運ぶのは大変です。機能性には優れているかもしれませんが、決して取り扱いやすいとは言えません。
5kg程度の重さのチャイルドシートなら、安全性も利便性も兼ね備えています。車に乗るのは帰省時や旅行時だけという方や、主にママや祖父母との移動が多い場合には、持ち運びに便利な軽量コンパクトなチャイルドシートがおすすめです。
赤ちゃんを乗せたまま移動できるトラベルシステムベビーカーも
「トラベルシステム」に対応した製品は1台で複数の機能を担ってくれて、持ち運びにも便利なアイテムです。赤ちゃんを乗せてそのまま移動できるのが最大の魅力で、海外でも人気が高まっています。
一般的なトラベルシステムベビーカーは、以下の4つの役割を果たしてくれるのが特徴です。
- ベビーカー
- ベビーキャリー
- チャイルドシート
- バウンサー
ベビーカーから取り外してチャイルドシートとしても使えます。持ち手が付いているためベビーキャリーとしても使用可能で、赤ちゃんが寝ていてもバウンサーとして活用できるため、幅広く大活躍するでしょう。とくに新生児から車移動が多いご家庭には、トラベルシステムベビーカーがおすすめです。
ただしメーカーや製品によっては、トラベルシステムに対応していない場合もあります。ベビーカーまたは車に取り付け可能か、アダプターなどが必要ないかなど確認しましょう。
あわせて読みたい 続きを見る
子育てママに伝授! チャイルドシートとベビーカーを兼用できるトラベルシステムを紹介
コンパクトなチャイルドシートの選び方
コンパクトなチャイルドシートを選ぶときのポイントを解説します。
チャイルドシートが必要なシーンで選ぶ
実際にチャイルドシートを使う場所や状況をイメージしながら、サイズを確認して選ぶことが重要なポイントです。
座席を動かせる車種か確認する
チャイルドシートのサイズや取り付け方によって、座席を動かせると便利です。一般的なチャイルドシートは、生後15ヶ月頃まで進行方向と反対の後ろ向きに取り付けて使用するため、前向きに設置するよりもかなり前後のスペースが必要になります。座席を動かせれば、後ろ向きに設置する時期にも多少サイズが大きくても対応可能です。
後部座席が動かせない場合は、助手席を前に動かしてチャイルドシートを設置しましょう。後ろ向き使用時はかなりスペースが必要になることを覚悟して、車種に合ったサイズか確認してください。
特に後ろ向きでリクライニングも使用した場合のサイズの目安は、店頭で確認することをおすすめします。
車内の広さを確認する
チャイルドシートを選ぶときは、設置したとき車内が窮屈にならないか確認しましょう。
車内幅の目安は、以下の通りです。
- 軽自動車:130~150cm
- コンパクトカー:140~145cm
- ミニバン:145~155cm
一般的な座席の幅は65〜70cmくらいなので、幅45cmくらいのチャイルドシートだと窮屈には感じないコンパクトサイズと言えます。車内の広さに合わせて、あまり窮屈にならないチャイルドシートを選ぶことが大切です。
車の天井の高さを確認する
チャイルドシートのサイズばかり考えがちですが、使用する車の天井の高さも確認しましょう。車種によって天井の高さは様々ですが、チャイルドシートに座った状態で天井に近すぎると子どもが圧迫感を感じるだけでなく、乗せ降ろしするのも大変です。
特にチャイルドシートの座面が回転するタイプは座面が高めなため、天井が低い車に設置するのはおすすめしません。軽自動車やコンパクトカー、スポーツカーなど、車内が狭く天井が低い車の場合は、上記のポイントを押さえてチャイルドシートのサイズが適切か注意して選びましょう。
安全性の高いチャイルドシートを選ぶ
国土交通省の安全基準に適合したチャイルドシートには、「Eマーク」が付けられています。「Eマーク」の有無を確認して承認された安全性の高い製品を使いましょう。
「Eマーク」とは欧州基準の安全規則で、従来のモデルには「ECE(UN)-R44」が添付されています。2016年に制定された最新の安全規則「ECE(UN)-R129」では、従来の規則に以下4つの項目が追加されました。
- 側面衝突の耐久性
- センサー付きダミー人形導入
- 適応身長の表記
- 15ヶ月頃までの後ろ向き使用着用義務
コンパクトタイプのチャイルドシートだと、側面衝突の耐久性まで優れている「ECE(UN)-R129」が添付されている製品はあまり多くないのが現状です。
その場合は、国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)が公表している安全性能評価を参考にするのも良いでしょう。この安全性能評価では、市販のチャイルドシートについて前面衝突試験と使用性の試験を行い「優」「良」「普」「推奨せず」で評価しています。
車への取り付け方法(シートベルト式・ISOFIX式)で選ぶ
チャイルドシートの固定方法には、「ISOFIX式」と「シートベルト式」の2種類があります。
規格が適合している車なら、ISOFIXの固定方式を選ぶのがおすすめです。それぞれの特徴を見てみましょう。
ISOFIX固定式の特徴
- 2012年7月以降に製造された車に基本装備されている「ISOFIX」に取り付ける。
- 車に装備されている専用金具にコネクターを差し込んで固定する。
- 軽い力で簡単にしっかりと固定できる。
- 子どもが取り外すことはできない。
- 取り付けミスがおきにくく、安全性に優れている。
シートベルト固定のものより比較的高価になりますが、装着が簡単で安全第一に考えるなら「ISOFIX固定」のものを選びましょう。
シートベルト固定式の特徴
- 車のシートベルトで固定する。
- 基本的にはどの車でも取り付け可能。
- 取り付けにはシートベルトをしっかりと締め付ける力が必要。
- 締め付け不足だと不安定になり危険。
- 子どもでも解除ボタンを押せば外せてしまう。
車がISOFIXに対応していない場合や、できるだけコストを抑えたい方には「シートベルト固定」のものがおすすめです。
対象月齢・年齢で選ぶ
チャイルドシートを選ぶときに必ずチェックしなければならないのが、対象年齢です。一般的な対象年齢と適応体重・身長は、以下の目安を参考にしてください。
対象年齢 | 適応体重 | 適応身長 | |
ベビーシート | 新生児から1歳頃 | 13kg未満 | 70cm以下 |
チャイルドシート | 1歳から4歳頃 | 9kg以上18kg未満 | 65cm以上100cm以下 |
ジュニアシート | 4歳から10歳頃 | 15kg以上36kg未満 | 100cm以上145cm以下 |
新生児から4歳頃まで使える、ベビーシートとチャイルドシートの機能を兼ね備えたものや、1歳頃から10歳頃まで長く使える、チャイルドシートとジュニアシートの機能を兼ね備えた製品もあります。
コンパクトタイプのチャイルドシートだと、新生児から4歳頃のものが多く、なかには新生児から10歳頃まで使えるロングユースタイプもあるので、チェックしましょう。
子どもの体型には個人差があるため、対象年齢だけでなく適応体重と身長もチェックすることが大切です。コンパクトなチャイルドシートは、子どもの成長に合わせてジュニアシートやブースターシートへ移行することをおすすめします。
あわせて読みたい 続きを見る
チャイルドシートの種類・違いを徹底解説! おすすめ機能やお得なレンタル方法
チャイルドシートの便利機能もチェック
軽量コンパクトなチャイルドシートでも、付いていると便利な機能を解説します。
低重心設計なら安定感が高い
低重心設計なコンパクトタイプのチャイルドシートなら、安定感が高くなります。低重心設計だと、軽自動車やコンパクトカーでも乗せ降ろしがしやすいのが魅力です。また、低重心設計は裏面がシンプルで、シート本体の重量が軽量なのも魅力の1つです。
通気性がよく、洗える素材もおすすめ
子どもは汗をかきやすく、チャイルドシートに座っていると熱がこもりやすくなります。少しでも温度上昇率を抑えて快適に過ごせるよう、通気性にすぐれたメッシュ素材を選びましょう。
また、簡単に着脱可能で丸洗いできるものがおすすめです。子どもは汗だけでなく食べこぼしなどでもすぐ汚れるので、清潔を保つために手軽に洗えるシートを選びましょう。
快適な乗り心地を実現するリクライニング機能
子どもはドライブ中に寝てしまうことが多いため、背もたれのリクライニング機能があると便利です。リクライニング機能の有無は、「後ろ向き使用時はなし」「前向き使用時はあり」の製品が多くなっています。
普段から状況に応じてリクライニングできるタイプは大型で比較的高価な製品が多く、コンパクトなチャイルドシートだと、前向き使用時のリクライニング機能は一度固定したら普段は動かせないタイプのものが主流です。
コンパクトに持ち運び可能なチャイルドシートおすすめ
軽量コンパクトなチャイルドシートの人気おすすめを対象年齢別にご紹介します。
それぞれ特徴や魅力、概要を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
新生児期から使えるチャイルドシート
Combi(コンビ)|クルムーヴ アドバンス ISOFIX エッグショック
回転タイプなのにコンパクト設計で、最新の安全基準に適合した360度全方位しっかり守ってくれるチャイルドシート。指1本で簡単にターンと前後3段階リクライニングが可能なのが魅力です。
コンパクトなので、軽自動車やコンパクトカーでも広々と使えます。
【製品の特徴】
- 対象年齢: 新生児~4歳頃
- 本体重量: 11.5kg
- 固定方法: ISOFIX固定
- 360度回転
- ヘッドレストと肩ベルトは連動で、8段階調整可能
- 頭部と座面は超衝撃吸収のエッグショック内蔵
- 3Dメッシュ素材
- スリープシェル付属
日本育児|ノセッテ ロング
足元に固定器具がないトップテザー方式とISOFIX固定で、車内が広く使えて快適なチャイルドシート。360度回転で低重心設計のため、軽自動車やコンパクトカーでも乗せ降ろしが楽にできるのが魅力です。
【製品の特徴】
- 対象年齢: 新生児~7歳頃
- 本体重量: 13.8kg
- 固定方法: ISOFIX固定+トップテザー方式
- 360度回転
- 低重心設計
- ヘッドレストと肩ベルトは連動で、8段階調整可能
- 3つに分解可能な、乳児用パッド
- メッシュ素材
RECARO(レカロ)|Salia Elite・サリア エリート
最新の安全基準適合で、トラベルシステムに対応した、安全性と利便性に優れたチャイルドシート。ひと目で分かる集中インジケーター搭載で、両サイドのレバーでの360度回転によって子どもの乗せ降ろしが簡単なのも魅力です。
【製品の特徴】
- 対象年齢: 新生児~4歳頃
- 本体重量: 18kg
- 固定方法: ISOFIX固定
- 360度回転
- 側面保護機能(ASP)搭載
- ヘッドレストと肩ベルトは連動で、6段階調整可能
- チャイルドシートから外して、ベビーキャリー使用可能
- 別売のベビーカーEasylife Elite 2とアダプターで、ハイシートベビーカーに対応
1歳頃から使えるチャイルドシート
日本育児|トラベルベストEC+ イーシープラス
超軽量&超コンパクト、そして安全性もクリアした折りたためるチャイルドシート。3列シートの中央座席にも設置可能で、大家族・大人数での移動にも便利です。
ベルトロックが付いているため設置が簡単で、コンパクトながら安全性にも優れています。
【製品の特徴】
- 対象年齢: 1歳~4歳頃
- 本体重量: 2.9kg
- 固定方法: シートベルト固定
- 2段階調節可能な大型ヘッドレスト
- ベルトロック搭載
- 3点式ハーネスベルトは、高さ3段階調節可能
- 3Dメッシュ素材
- やわらかクッション
日本育児|トラベルベストEC Fix
上記で紹介したトラベルベストEC+に、ISOFIX固定も可能になって更に安全に長く使える、折りたたみ軽量コンパクトなチャイルドシート。
シェル形状よりも子どもが手足を動かしやすく、側面衝撃から身体を守ってくれる大型ヘッドレストとショルダーサポート搭載で、安全性と快適性が魅力です。
【製品の特徴】
- 対象年齢: 1歳~7歳頃
- 本体重量: 7.3kg
- 固定方法: ISOFIX固定/シートベルト固定
- 大型ヘッドレスト
- ショルダーサポート
- 5点式ハーネスベルトは、高さ3段階調節可能
- スライドボタン式バックル
- 3Dメッシュ素材
- 専用収納袋付属
Combi(コンビ)|ジョイトリップ エアスルー GH
通気性と快適性に優れた、成長に合わせて簡単に3ステップアレンジ可能で長く使える、軽量コンパクトなチャイルドシート。
頭、身体、おしりをやさしく包み込むふわふわ爽快シートで、快適なドライブが実現できます。洗濯機で丸洗いできる着脱簡単なカバーで、いつでも清潔に使用できるのも魅力です。
【製品の特徴】
- 対象年齢: 1歳~11歳頃
- 本体重量: 5.3kg
- 固定方法: シートベルト固定
- ヘッドサポートは高さ調節可能
- 頭部とヘッドパッドに超衝撃吸収エッグショック搭載
- 全面3Dメッシュ素材
- ドリンクホルダー付属
- ベルトポジショナー付属
3歳頃から使えるチャイルドシート
Combi(コンビ)|ジョイキッズ ムーバー エッグショック KH
成長に合わせて2ステップアレンジ可能で、超衝撃吸収素材のエッグショックを搭載した、軽量コンパクト設計のチャイルドシート。
洗濯機で丸洗い可能な3Dメッシュシートにより、高い通気性と快適性が魅力です。上下左右に動くベルトジャストフィッターで、成長に合わせて最適な位置に調整できます。
【製品の特徴】
- 対象年齢: 3歳~11歳頃
- 本体重量: 4.2kg
- 固定方法: シートベルト固定
- ヘッドレストは高さ調節可能
- 頭部に超衝撃吸収エッグショック搭載
- 3Dメッシュ素材
- ドリンクホルダー付属
- ベルトポジショナー付属
帰省時のチャイルドシートはレンタルもおすすめ
今回は、軽量コンパクトで持ち運びに便利なチャイルドシートの選び方とおすすめ製品をご紹介しました。
普段はあまり車移動がなく、実家に帰省したときに使うチャイルドシートを選んでいる方はレンタルもおすすめです。必要だと思って事前に用意していても車種に適合していない、子どもが成長して合わなくなったということも多いようです。
ベビー用品のレンタルを活用すれば必要な期間だけ安い料金で利用でき、使わないときの収納や不要になったときの処分も困りません。赤ちゃんとご自身にあったものを選ぶためにぜひレンタルを検討してみてください。