今回は母乳育児について、授乳期間の目安や断乳・卒乳のメリットやコツを解説します。赤ちゃんに母乳はいつまであげればいいのか、どうやって辞めるのか、そんなお悩みを持つママに必見の記事です。
赤ちゃんに母乳をあげる期間の推奨は?
WHO(世界保健機構)では、免疫機能が未熟な赤ちゃんが母乳から免疫を得られることや、母乳に含まれるラクトフェリンという成分が赤ちゃんの腸内環境を整えてくれること、アレルギーが起きにくいことなどから、2歳以上まで母乳を与えるのを推奨しています。
ただしこれは絶対に母乳を与え続ければならないということではなく、離乳食やミルクなど母乳以外からしっかりと栄養がとれている場合は、2歳以前に母乳を飲まなくなっても全く問題ありません。
授乳期間には個人差がある
それでは、一体いつまでに卒乳するのがいいのでしょうか。
日本ではだいたい1歳前後に卒乳するご家庭が多いようですが、実は卒乳時期に明確な基準はありません。ママが仕事に復帰するため保育園入園に向けて計画的に卒乳をしたというご家庭や、赤ちゃんが離乳食をよく食べるので自然に母乳を飲まなくなったなど、家庭の状況や赤ちゃんの性格によって卒乳の時期はさまざまです。
離乳食や幼児食でしっかりと栄養がとれていても、安心感を求めておっぱいを欲しがるケースも少なくないため、赤ちゃんが欲しがらなくなるまで授乳し続けて大丈夫。年齢を理由に無理に卒乳を考えなくてもいいでしょう。
母乳はいつまで出るのか
とはいえ、「子どもが2〜3歳になるころには母乳が出なくなっちゃうんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし実は授乳を続けている限り、量が減ることはあっても母乳が全く出なくなることはないと言われています。
そもそもママの身体で母乳が作られる仕組みとしては、赤ちゃんが乳首を吸う刺激でママのホルモンが放出され、母乳が分泌されるというものになります。赤ちゃんが乳首を吸わなくなってもすぐに母乳の分泌が止まるというわけでもなく、2〜3週間ほどかけて徐々に出る量が少なくなっていきます。
断乳と卒乳の違い
「卒乳」と「断乳」は、どちらも母乳育児の終了に関する言葉ですが、ママと赤ちゃんのどちらの意思によって終了するかが異なります。こちらでは2つの言葉の意味合いとともに、メリットやデメリットも紹介します。
断乳とは
「断乳」とは、ママの意思で母乳育児をやめることを言います。完全にママのスケジュールで行えることと、比較的短期間で母乳育児を辞められることがメリットですが、急に授乳を辞めてしまうと乳腺炎になる可能性があったり、突然母乳をもらえなくなって赤ちゃんが安心感を失い、泣いたり暴れたりして精神的に不安定になることがデメリットとして挙げられます。
卒乳とは
「卒乳」は赤ちゃんの意思により母乳育児をやめることを言います。赤ちゃんが自ら母乳を欲しがらなくなる・飲まなくなることだけでなく、ママが計画的に少しずつ授乳回数を減らし、最終的に赤ちゃんが母乳を欲しがらなくなって、無理なく母乳育児をやめることも「卒乳」と呼ばれます。
徐々に授乳回数を減らすことで乳腺炎によるトラブルが起きにくくなり、また赤ちゃんへの精神的な負担も少なくなるのが大きなメリットですが、計画通りに進まず予定よりも長い間授乳することになる可能性はもちろんあります。
母乳育児をやめるメリットとデメリット
それでは、そもそも母乳育児をやめるメリットとデメリットは一体何でしょうか。主なものを見てみましょう。
メリット
- 赤ちゃんが離乳食をよく食べてくれるようになる
- 夜間授乳がなくなることにより、親子で夜ぐっすり眠れるようになる
- ママが妊活できるようになる
- ママがカフェインやアルコール、油物を気にせず摂取できるようになる
- 外出時に授乳室の有無などを気にしなくてよくなる
主なメリットはこちらの通りです。離乳食の進みが悪い場合や、夜間授乳で寝付きが悪い場合などで悩んでいる方にとって、卒乳によりその悩みが解決する可能性があるのは嬉しいですね。
デメリット
- ママが乳腺炎になる可能性がある
- スキンシップが減り、赤ちゃんが精神的に不安定になる可能性がある
先にも少し述べた通り、卒乳によりママが乳腺炎になる可能性があります。急に断乳するのではなく、徐々に授乳回数を減らしていくなど、しっかりケアをするといいでしょう。
また今までグズっても授乳することで気持ちが切り替えられていた赤ちゃんは、卒乳により今まで与えられていた安心感を得られなくなることで精神的に不安定になってしまう可能性があります。
そのため、卒乳後は赤ちゃんをギュッと抱きしめてあげたり、手をつないで眠ってあげたりするなど、いつも以上にスキンシップを取ることを心がけてください。
おすすめの卒乳・断乳タイミング
卒乳・断乳をすると決めたら、次はいつ頃から行うか、計画を立てていきましょう。おすすめのタイミングを紹介してきます。
離乳食で母乳以外の栄養をとれるようになったとき
卒乳すると母乳から得られていた栄養素を、全て他のもので補わなければならなくなります。そのため、まず大前提として離乳食が三回食まで進んでいることと、体重が順調に増えているかどうかを確認してください。
また母乳以外で水分が取れるようにしてあげるのも大事なポイントです。いままで母乳から摂っていた水分を補えるように、コップやマグなどで麦茶や牛乳、フォローアップミルクを飲ませてあげるといいでしょう。
ママの言うことを聞くようになったとき
赤ちゃんがママの言っていることを理解できるようになっていれば、断乳・卒乳しても良いタイミングだと言われています。赤ちゃんはまだ会話ができなくても、ママの言っていることを必死に理解しようとしています。何度も優しく言い聞かせてあげるなどして、あらかじめ卒乳を伝えてあげることで、親子で安心して卒乳計画を進めていくことができるでしょう。
赤ちゃんの夜間に起きる回数が減ってきたとき
赤ちゃんが夜中起きるたびに、添い寝などで授乳をして寝かしつけをしているご家庭も少なくないのでは。もしも成長とともに昼間の活動量が増え、夜中に起きる回数と夜間授乳の回数が減ってきているのならば、夜間断乳のチャンス。授乳に代わる寝かしつけの方法を探すなどして、まずは回数を減らすことからチャレンジしてみてもいいでしょう。
卒乳・断乳後はママの乳房トラブルのケアをしっかり!
卒乳・断乳後のママの乳房トラブルを減らすには、時間をかけて少しずつ授乳回数を減らしていくのがいいでしょう。ママと赤ちゃんの負担にならない程度に、授乳回数や授乳量を減らし授乳間隔を広げていくと、自然と分泌される母乳量が減っていきます。できれば数ヶ月前から卒乳に向けたスケジュールを組んで実施していくことで、ママの身体への負担を最小限に抑えられます。
何らかの事情で急に断乳せざるを得なくなる場合ももちろんあります。そういった場合は、乳腺炎などのトラブルのリスクが跳ね上がるため、適切なケアが不可欠です。
急に卒乳したり授乳回数を大幅に減らしたりすると、作られた母乳が乳房内に溜まってしまい、乳房が張ったり、痛みを感じたりすることがあります。その状態のまま放っておくと乳腺炎になってしまうおそれがあるので、楽になる程度に絞り、冷たいタオルなどで熱を持っている部分を冷やします。熱が下がらない場合や乳房の痛みが強い場合は、母乳外来や助産院などを受診しましょう。
おっぱいの卒業時期は家庭によりさまざま
授乳は身体的負担も大きいですが、赤ちゃんのことを考えると卒乳・断乳の判断に迷ったり悩んだりすることは当然です。ママと赤ちゃんの数だけタイミングややり方も違うので、赤ちゃんの様子や成長を確認しながら、焦らず少しずつ進めていきましょう。
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