赤ちゃんとのお出かけで頭を悩ますのが移動方法の切り替えです。状況に応じてチャイルドシートやベビーカー、抱っこなど使い分けなければなりません。パパ・ママも大変だけど、ころころ変わる移動方法に赤ちゃんも疲れてしまいます。
そんなときに便利なのが、チャイルドシートやベビーカーなどの機能を1台に集約した「トラベルシステム」です。今回は最近人気となっているトラベルシステムの特徴やメリット・デメリット、そして選び方を紹介します。
チャイルドシートとベビーカーが一体型に? トラベルシステムとは
トラベルシステムとは、チャイルドシートやベビーカーなど複数の機能が一体型になった商品です。新生児の移動に便利で、欧米では以前から一般的に使用されており、最近日本でも人気が出てきています。ここからは、具体的にトラベルシステムの役割を見ていきましょう。
1台で5役、トラベルシステムが人気な理由
トラベルシステムが人気の理由は、1台で5役できる万能性にあります。チャイルドシートやベビーキャリー、バウンサー、ベビーチェア、ベビーカーと5つの役割を果たしてくれます。移動ごとにツールを変えずに済むので労力も半減されるのが最大のポイントです。
チャイルドシート
車で赤ちゃんと移動するにはチャイルドシートが欠かせません。チャイルドシートは車で移動するときだけしか使わないので、その役割も兼用できるトラベルシステムは非常に便利です。
ベビーキャリー
首がすわっていない新生児を寝かせたまま安全に移動できるベビーキャリーは、トラベルシステムのうれしい機能のひとつです。持ち手がついているので、自宅から車への移動などで活躍してくれます。
バウンサー
トラベルシステムはゆりかごのように優しく揺れるバウンザーにもなります。シートの底が湾曲しており、シートを揺らすと赤ちゃんの重みでバウンザーがゆらゆら揺れ、あやすことができます。
ベビーチェア
レストランなどで食事をする際、ベビーチェアは役立ちます。ソファ席や座敷に置き、赤ちゃんにご飯を食べさせることができます。
ベビーカー
対応しているベビーカーにトラベルシステムを装着するだけで対面式のベビーカーになります。通常のベビーカーは生後1ヶ月からの使用になりますので、生まれてすぐの場合だとこのトラベルシステムが役立ちます。
チャイルドシートとベビーカーを兼用できるトラベルシステムのメリット
ここではトラベルシステムのメリットを紹介します。ではひとつずつ見ていきましょう。
赤ちゃんを寝たまま移動させられる
車やベビーカーで寝た赤ちゃんを移動させると起きて泣いてしまう、なんてこともあります。パパ・ママにとっても赤ちゃんが寝てくれている時間は貴重です。トラベルシステムは、赤ちゃんを起こさず移動させることができ、簡易ベッドとしても使えます。
新生児からベビーカーを利用できる
電車やバス移動、買い物へも抱っこすることなく一緒にお出かけが可能。通常のベビーカーは生後1ヶ月からの使用になり、産後しばらくはお出かけを躊躇するママさんも多いと聞きます。しっかり体を支えてくれるトラベルシステムのベビーカー機能は退院してすぐ使うことができます。
他の人の自動車でも乗せやすい
実家や友だちの車で移動となってもチャイルドシートがあれば安心! 自分以外の車でも使えるので移動の範囲やお出かけの機会が増え、赤ちゃんも喜んでくれるはずです。
チャイルドシートが車内温度で熱くならない
普段チャイルドシートは車内に置きっぱなしです。暑い夏の日には高温になっていることも。シートが熱いと危険ですし、赤ちゃんもすぐに汗をかいて熱中症になる可能性があります。トラベルシステムだと、車内で使わないときは室内の涼しい場所で保管しておける点もメリットです。
目の届く場所に移動できる
赤ちゃんはパパ・ママの姿が見えないと不安になります。また、パパ・ママも赤ちゃんの様子を常に見ておかなければなりません。バウンザーやベビーチェアの機能を使えばお互いの姿を確認しながら過ごせて安心です。
お散歩に行きやすい
一般的なベビーカーで散歩に連れて行くと、赤ちゃんが泣いてもベビーカーを前後に動かして揺らすしかありません。しかし、バウンザーが付いていると赤ちゃんはゆりかごのように快適に過ごすことができます。
トラベルシステムのデメリット
メリットもたくさんありますが、気を付けるべきポイントもいくつかあります。
車を使うたびに固定が必要
車外でも使える便利さがある一方、車を使うたび毎回チャイルドシートを固定する必要があります。これは車を使う頻度にもよりますが、少し面倒に感じるかもしれません。しかし、熱中症などの問題を考えるとメリットのほうが大きいように思います。
折りたたんでの持ち運びが面倒
折りたたむ手間と持ち運びの面倒な点はデメリットのひとつ。10㎏以上のトラベルシステムにプラスして赤ちゃんを抱えての移動にはかなりの力が必要です。大人2人以上であれば負担は軽減されますが、ひとりの場合は持ちきれない可能性もあり、不向きともいえます。
使える期間が短い
トラベルシステムが使える期間は生後0ヵ月~12ヵ月頃までです。機能的で非常に便利な商品ですが、期間を考えると購入するのには割高に感じるかもしれません。
製品ごとの機能や使える場所もしっかり確認しておこう
ベビーカーによっては別途アタッチメントが必要だったり、リクライニングができないタイプもあったりします。また、前向きに装着できない、飛行機の機内で使えない機種もあります。
トラベルシステムの使用におすすめの人
トラベルシステムの使用に向いている人
多機能を必要とする人
車での移動が頻繁にある人
新生児からお出かけをする人
新生児時期にお出かけが多く、また複数の車を使用する際にはトラベルシステムは大活躍です。また1台に必要な機能が集約していますので、あれこれ準備する手間も省けます。
トラベルシステムの使用に向いていない人
最小限の機能を求める人
車での移動があまりない人
新生児時期のお出かけ頻度が低い人
産まれてしばらくはお出かけを控える人には、トラベルシステムの出番は少ないかもしれません。また、多機能搭載で便利な一方、最小限の機能だけで十分という人にとってトラベルシステムは必要がない可能性もあります。
トラベルシステムを選ぶポイント
トラベルシステムはメーカーや種類によって特徴は異なり、操作性や安全性、デザイン性、軽量型など多種多様です。それではどんな点に気を付けて選んだらよいのでしょうか。
使いやすさで選ぶ
使いやすさを重視するのはとても大切です。毎日のことなので、少しでも不便さや面倒を感じたらストレスになってしまいます。取り付けや固定がしやすいものがおすすめです。また寝ている赤ちゃんをさっと移動させないといけないため、ワンタッチでできるものだと時間もかかりません。
対象年齢で選ぶ
安価だと思って選んでも対象年齢の期間が短いと、せっかく買っても出番が少なくてもったいないです。どのぐらいの期間使用したいのか予めシミュレーションをしておきましょう。ひとつのトラベルシステムでも搭載される機能ごとに対象年齢が異なる場合もありますので、どれがいつまで使用可能か確認する必要もあります。
安全性で選ぶ
筋肉など未発達の新生児を乗せるには細心の注意を払わなければなりません。より安全性の高いトラベルシステムを選ぶなら外部機関によって安全が証明されたものにしましょう。日本製であればSG基準に適した商品をおすすめします。SG基準とは、Safe Goods(安全な製品)の略で、一般財団法人 製品安全協会が定めたものです。
車に適合しているモデルを確認する
車でお出かけする人にとっては重要なポイントです。お使いの車に適合しているモデルを確認するようにしてください。古い車種や外車はトラベルシステムに適合しないこともありますので、不安な場合は一度メーカーに問い合わせることをおすすめします。
使用期間の短いトラベルシステムはレンタルがおすすめ
チャイルドシートやベビーカーなどのベビー用品は、赤ちゃんの成長に合わせて買い替えなければなりません。そのたびにコストもかかりますし、吟味して選ぶのも大変です。一台でいくつもの役割を持つトラベルシステムは価格が高く使用期間も短いですが、あるととっても便利なのは確かです。
レンタルを賢く活用すれば必要な期間だけトラベルシステムを利用でき、収納や処分に悩むこともありません。赤ちゃんとご自身のライフスタイルにあったものを選ぶためにぜひレンタルを検討してみてください。