空調・季節家電

エアコンの冷房と除湿(ドライ)の違いは? 仕組み・電気代の比較と上手な使い分け方

エアコンの冷房と除湿の違いを解説

夏、冬の時期に欠かせない存在となっているエアコン。暖房として温度を上げる、クーラーとして温度を下げるというように温度を調整する機能が多く使われますが、リモコンを見るとさまざまな機能が付いていることがわかります。

その中でもよく使われるのが「除湿・ドライ」の機能です。一般的には湿度を下げる機能と思われていますが、温度が下がることもあります。その場合、冷房機能とは何が違うのでしょうか。実は除湿機能にも種類が複数あり、得られる効果も違います。ここでは冷房と除湿(ドライ)の違いを仕組みや電気代などで比較します。また目的に合わせた上手な使い分けのコツもあわせて紹介するのでぜひ活用してください。

冷房と除湿(ドライ)の違い、それぞれの仕組みは?

除湿とドライの紹介をする前に、簡単にエアコンの仕組みを紹介します。エアコン(air conditionerの略)は、室内の温度や湿度を調整する空調設備のひとつになります。また、その他にも空気を循環する働きがあります。

夏に使うエアコンの機能は3種類

夏に使う主な機能は冷房と除湿ですが、さらに除湿は「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類に分かれておりそれぞれ特徴が異なります。ここでは各機能の概要や仕組みなどを紹介します。

冷房(クーラー)

室内の「温度」を下げる機能になります。冷房を使用することで室内を冷やすことができ除湿効果も期待できます。除湿でも温度を下げることはできますが、冷房のように室内を一気に冷やすことは難しいため、室内をすぐに冷やしたい場合は、冷房を使用することをおすすめします。

除湿(ドライ)

室内の「湿度」を下げる機能になります。冷房同様に温度を下げて室外へ結露した水分を排出します。冷房との違いは、湿度が低下することにより温度が極端に下がらないよう調整される点です。

梅雨の時期などのジメジメとした空気を除湿で快適な環境に整えることができます。快適な湿度は40%~60%といわれているため、湿度が60%以上になったら除湿を使用することをおすすめします。

弱冷房除湿

微弱な冷房運転で湿度を目標の値まで下げることができます。一般的なエアコンはこの除湿機能になります。

再燃除湿

部屋の空気をいったん下げて除湿し、下げた空気を温めて室内に戻すことができます。室温を下げることなく除湿できるということです。ただし、すべてのエアコンに搭載されていないことや弱冷房除湿に比べ温め直す分電気代がかかるといった点に注意が必要です。

弱冷房除湿と再燃除湿を見分けるポイント

このように除湿は2種類の機能に分かれていますが、使用しているエアコンの除湿機能が「弱冷房除湿」か「再燃除湿」のどちらかわからない方は多いと思います。一般的に多くのエアコンは「弱冷房除湿」の除湿機能となっており、一部のエアコンに搭載されているのが「再熱除湿」になります。

リモコンの表記は除湿・ドライなどと記載されている場合が多くリモコンから判断することは難しいですが、リモコンに「除湿」以外の文言が入っている場合は再熱除湿が搭載されている可能性があります。まず、購入時に確認、購入後はエアコンのカタログや取扱説明書を確認しましょう。

冷房と除湿、それぞれでかかる電気代の違い

冷房・除湿どちらも消費電力に大きな差はないので設定温度を高くすることで節電効果が見込めます。しかし、消費電力に大差がないといっても使い方を誤ると電気を無駄に消費することになるので注意が必要です。状況によって使い分けをしましょう。

エアコンの機能は目的や状況で使い分けるのがおすすめ

冷房機能、除湿機能は部屋の状況や天気によって、それぞれに適したシーンがあります。今から冷房、除湿をどのように使い分けるかを紹介します。

冷房機能に適しているシーン

気温が上昇する夏などは、冷房の使用がおすすめです。室内をすぐに冷やして快適な環境にしたい場合は、冷房を使用しましょう。

除湿(ドライ)機能に適しているシーン

梅雨の時期などの湿度が上昇する時期に除湿の使用がおすすめです。ジメジメとした空気を除湿で快適な環境にしたい場合は、除湿を使用しましょう。

洗濯物を部屋干しするなら除湿機能が便利

除湿機能は洗濯物を部屋干しするときに使うと、洗濯物を早く乾かすことができます。部屋干しが乾きにくくなる理由に空気の循環や空気中の水分量が増えることなどが挙げられます。除湿機能を使用することにより、空気が循環され水分が蒸発しやすくなるため洗濯物が乾きやすくなります。部屋干しをする際は除湿を有効活用してみましょう。

冷房・除湿(ドライ)以外に活躍する送風機能

これまで紹介した機能以外に、送風という機能があります。あまり使うことがない機能ですが、空気を循環したい場合や室内機を乾燥させたい場合に使用することをおすすめします。

エアコンの電気代を節約するコツ

機能の使い分け以外でもエアコンの使い方を工夫すれば、電気代を節約することができます。ここでは一人暮らしでも簡単にできる節電の方法をご紹介します。

こまめなフィルター掃除

ホコリなどがフィルターに付着していると、空気の通りが悪くなるので余計な消費電力がかかります。月に1回は掃除するなどの目安を設けて、フィルターやエアコン内部のホコリをこまめに掃除しましょう。

短時間の外出ならつけっぱなしが効果的

エアコンは設定温度にするまでに消費電力を多く使います。こまめにつけたり消したりすることで消費電力が高くなる場合があります。

自動運転で効率よく節電を

自動運転であれば室内の温度によって強風や弱風にしてくれるため、効果的に冷房が機能します。冷房時は自動運転にすることで電気代を節約する効果があります。

設定温度を上げる

無理のない範囲で高めに温度を設定するだけでも節約に効果があります。必要以上に設定温度を下げないように目安の温度を設定しましょう。

扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる

冷たい空気は下にたまりやすくなるので、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させましょう。エアコンと併用することにより効率よく部屋を冷やすことができるので必要以上に設定温度を下げることを防ぐことができるでしょう。

機能を賢く使って節約し、快適に過ごしてみてはいかがでしょうか。

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