室内の花粉やホコリ、ウイルスなどの対策として有効な空気清浄機。その高い性能からニーズが増加しており、購入を検討されるご家庭も多いでしょう。空気清浄機を使う場合は24時間つけっぱなしにした方がより効果が得られますが、そうなると気になるのは電気代です。
この記事では空気清浄機の電気代について解説するとともに、メリットや使用上の注意点、効果を高める使い方などを紹介します。
空気清浄機の仕組み
空気清浄機は空気中の汚れを取り除く家電製品ですが、その仕組みは大きく分けて3つあります。
- ファン式
- 電気集塵式
- イオン式
空気清浄機の多くは、室内の空気を吸い込みフィルターを通すことで空気中の汚れを除去し、キレイになった空気を排出する仕組みになっています。ファンを回転させて汚れた空気を集塵する「ファン式」は基本的な方式で、稼働音が発生しやすいものの集塵力が高いのが特徴です。
「電気集塵式」はフィルターを通してろ過する点では同じですが、静電気を利用して空気中の汚れを集めてフィルターへ送ります。本体サイズが大きい傾向にありますが、フィルターが長持ちする、稼働音が抑えられるなどのメリットがあります。
そのほかに、フィルターを通さない方式が「イオン式」です。空気中にイオンを放出して汚れやウイルスを不活化させることで空気をキレイにします。多くの製品にはファン式が採用されていますが、ファン式とイオン式の両方を搭載したものも販売されています。
空気清浄機のメリット
メーカーやモデルによって除去できる物質は多少異なりますが、空気清浄機を使用すると以下の3つのメリットがあります。
ウイルス対策になる
微細な粒子まで除去できるフィルター搭載品やイオン式であれば、ウイルスを除去する効果が期待できるでしょう。衣服に付着するなどして外出先からウイルスを持ち込んでしまっても、空気清浄機を使用していれば感染リスクを軽減できます。
すべてのウイルスを除去できるわけではありませんが、冬場の風邪やインフルエンザ対策として有効です。
ペットやタバコなどのニオイ対策になる
空気清浄機のなかでも、脱臭フィルターを搭載した製品はニオイ対策ができます。ペットやタバコなどのニオイのほか、生ごみや料理をした後のニオイ、洗濯物の生乾き臭などの生活臭も抑えられます。
「脱臭モード」などの機能や、活性炭フィルターを搭載していればより高い消臭・脱臭効果が期待できるでしょう。
花粉やホコリなどのアレルギー対策になる
空気清浄機は、花粉やアレルギー対策としても有効です。花粉やホコリ、ハウスダスト、PM2.5などの小さなアレルギー物質は、空気中に舞い上がりやすい特徴があります。
これらの物質は集塵フィルターを搭載している空気清浄機で除去できるため、花粉症をはじめアレルギー性鼻炎、喘息などのアレルギー疾患でお悩みの方は効果を実感しやすいでしょう。
空気清浄機の電気代はいくらかかる?
空気清浄機はメーカーやモデル、運転モードなどにより電気代が多少異なります。ここでは、シャープ・ダイキン・パナソニックの3社から発売されている空気清浄機能のみ搭載のモデルで電気代を比較してみましょう。
電気料金は「消費電力(kW)×使用時間×1kWhあたりの電気料金」で計算できます。今回は1kWhあたり31円(全国家庭電気製品公正取引協議会によって定められている目安単価)で計算します。
モデル | 消費電力(W) | 電気代(円/h) | ||||
強 | 中 | 弱 | 強 | 中 | 弱 | |
シャープ FU-R50 | 49 | 13 | 2.6 | 1.5 | 0.40 | 0.08 |
ダイキン MC55Z | 46 | 15 | 9 | 1.43 | 0.47 | 0.28 |
パナソニック F-PXV60 | 45 | 10 | 5 | 1.4 | 0.4 | 0.2 |
どのメーカーも、強運転で使用したとしても1時間あたりの電気代は約1.5円、24時間つけっぱなしの場合は約36円ほどです。このように、空気清浄機は比較的電気代がかからない家電製品と言えるでしょう。
空気清浄機の電気料金を安く抑えて効率的に使う方法
ここからは、空気清浄機の電気料金を安く抑えて効率的に使う方を5つ紹介します。
部屋の広さに合わせた空気清浄機を使う
空気清浄機を効率的に使うためには、部屋の広さにあったものを選ぶのが大切です。空気清浄機はモデルごとに適用床面積(清浄能力を示す目安)が設定されています。もしカタログに記載されている適用床面積よりも広い部屋で使用すると、パワー不足のため十分な効果が得られません。
高い空気清浄効果を実感するためには、実際に使いたい部屋よりも適用床面積が大きいモデルがベストです。ただし大きすぎると消費電力が高く、ムダな電気代がかかってしまうので注意しましょう。
正しい置き場所に設置する
空気清浄機は空気を吸い込みやすくするために、空気が循環しやすい場所に設置しましょう。壁沿いや家具で周り塞がれた場所などに設置すると、吸気口が塞がれてしまい十分な効果が得られません。
部屋の中央や、周りに何もない広いスペースに置くのがよいでしょう。また部屋の出入口・玄関先・換気口の近くなど、人や空気が出入する場所に設置するのも効果的です。
エアコンや扇風機、サーキュレーターと併用する
エアコンや扇風機、サーキュレーターを併用して空気の循環をよくすれば、空気清浄機の効果が高まります。エアコンの電気代が気になる場合は、送風モードを活用するのがおすすめです。
ほかの家電を併用すると電気代がかさむのではと不安になるかもしれませんが、空気が循環することで効率がよくなるため、空気清浄機自体の電気代を抑えることにつながります。
併用の際はエアコンや扇風機と空気清浄機をなるべく離して設置しましょう。お互いの風がぶつからないようにすれば、ホコリなどを効率よく吸い込めます。
フィルターをこまめに掃除する
空気清浄機の効果を維持するためには、フィルターをこまめに掃除してください。空気清浄機は、フィルターを通すことで空気中の汚れをキャッチする仕組みです。そのためフィルターに汚れが溜まると空気の通りが悪くなり、運転効率が下がってしまいます。掃除する頻度は2週間に1度が目安です。
また、フィルターの寿命が近くなったら交換しましょう。メンテナンス方法やフィルターの交換時期は製品によって異なります。あらかじめ各社の公式サイトや取扱説明書などで確認してください。
節電するなら24時間運転しないほうがいい?
空気清浄機の電気代はそれほど高くないので、24時間つけっぱなしでも問題ないでしょう。室内に浮遊している花粉やホコリなどは、床に落ちるまでに時間がかかります。そのため短時間の使用では、空気中の汚れを十分に除去できません。
こまめに電源をオン・オフするよりも、24時間運転していたほうが高い空気清浄効果が得られます。つけっぱなしにしておく場合は、自動運転モードや省エネモードを活用するのがおすすめです。空気の汚れの状態によって自動で強弱を切り替えてくれるので、節電効果が期待できます。
これから購入する場合は毎月のランニングコストも確認しよう
今回紹介したように、空気清浄機の電気代はそれほどかかりません。つけっぱなしにする方がメリットは多いため、あまり電気代を気にせず使用できそうですね。
ただしメーカーや機種、電気会社や契約プランによって電気代が多少異なります。正確に知りたいという方は、自宅の空気清浄機の消費電力と電力会社の契約プランを調べて計算してみましょう。空気清浄機はこまめに電源を消してもあまり節約効果は見込めないため、定期的にお手入れをしたり、置き場所を最適化したりなど、効率的に使用する工夫をしてみてください。
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