カラッと晴れた日には洗濯物を外干しすると気持ちがいいですが、雨が続く梅雨の時期となるとそうもいきません。近年は花粉や黄砂、PM2.5などの飛散を気にして日頃から部屋干しが定着している家庭も多いようです。しかし部屋干しで気になるのが、生乾き臭や雑菌の繁殖ですよね。
今回は、これらの問題を解決してくれる衣類乾燥除湿機についてご紹介します。
衣類乾燥除湿機のメリット、通常の除湿機との違い
「除湿機」とは、お部屋の空気中から水分を取り除き、湿度を下げる家電のことを言います。最近ではこの除湿機能に加え、部屋干しした衣類の乾燥機能を備えたタイプも多く、それらの製品を衣類乾燥除湿機と呼びます。
基本的な構造に両者の違いはありませんが、大きな違いは「送風機能」があるかどうかです。衣類乾燥除湿機は、除湿と同時に衣類に直接風を当てることで乾燥スピードを速め、生乾き臭を防止する効果があります。
衣類乾燥除湿機の種類
衣類乾燥除湿機には、大きく分けて3つの除湿方式があります。
コンプレッサー方式
コンプレッサー方式の除湿機は、内部にコンプレッサー(空気を圧縮する機構)が搭載されています。このコンプレッサーによって湿った空気を冷やすことで、水滴を発生させて除湿します。消費電力が小さいので電気代が安く済み、室温も上昇しにくい点がメリットです。
しかし一方で、室温が高いほど効果を発揮しやすいため、寒い冬場には除湿効果が下がります。また、コンプレッサーの稼働音が大きく、設置する場所によっては音が気になってしまう場合もあるかもしれません。
デシカント方式
デシカント方式の除湿機は、内部にゼオライトと呼ばれる乾燥剤とヒーターが搭載されています。湿った空気を乾燥剤に吸着させ、それを温めて気化させることで除湿する仕組みです。ヒーターの力によって、寒い冬でも除湿力を下げずに使うことができます。季節を問わず使いやすく、結露対策にも有効です。
ただしヒーターは消費電力が大きく、室温が上がる要因にもなります。
ハイブリッド方式
ハイブリッド方式の除湿機は、コンプレッサー方式とデシカント方式の構造を組み合わせて作られています。お部屋の状態に合わせて最適な方式を使い分けて運転するため、効率よく除湿することが可能です。1年を通して日常的に使いたい場合に特におすすめですよ。
一方で、構造が複雑になるため本体サイズが大きく、価格も高い場合が多くなります。
衣類乾燥除湿機の選び方
除湿方式のほかにも、衣類乾燥除湿機を選ぶ際にチェックしておきたいポイントをお伝えします。
除湿能力で選ぶ
お部屋の広さに対して、除湿可能面積が合っている製品を選びましょう。なお同じ面積の木造住宅に比べて、鉄筋コンクリートの住宅で使用したほうが除湿力は上がります。
除湿機には木造住宅・鉄筋住宅それぞれでの除湿能力(何畳の部屋まで対応するか)が記載されているはずですから、買う前に目安としてチェックしてください。たくさんの洗濯物を部屋干しする場合は、実際の部屋面積よりも除湿可能面積が少し広い製品を選ぶと効果的です。
排水タンクの容量で選ぶ
除湿機は、排水タンクがいっぱいになると運転が止まってしまいます。満水になったら水を捨てる作業が必要になるため、排水タンクの容量は大切なチェックポイントです。目安として、排水タンクの容量が3L以上あると使いやすいでしょう。
排水頻度による不便さがストレスにならないよう、部屋干しする洗濯物の量や、連続稼働時間など具体的に想定して選んでくださいね。
お手入れのしやすさで選ぶ
除湿機にたまった水を放置していると、カビや悪臭の原因になります。内部に発生したカビが乾いた空気と一緒に放出されると、健康被害につながってしまう危険もあります。こまめにお手入れが必要だからこそ、お手入れ方法は簡単な方が嬉しいですよね。
タンクやフィルターの着脱は楽にできるか、洗いやすい形状になっているかなど、しっかりと確認しておきましょう。
便利な機能をチェック
最近では、部屋干しに便利な機能を備えた衣類乾燥除湿機がたくさん出ています。気になる便利機能をチェックしてみましょう。
消臭機能・除菌機能
消臭機能や除菌機能が付いた衣類乾燥除湿機なら、生乾きによるイヤな臭いや、雑菌の繁殖を抑えてくれるので安心ですね。普段から部屋干し量が多く、生乾きが気になっている人におすすめです。
サーキュレーター機能
洗濯物の乾燥スピードを速くしたい場合は、サーキュレーター機能が付いた衣類乾燥除湿機をチェックしてください。通常の送風機能よりもパワフルに風を送れるため、短い時間でしっかりと乾かすことができます。
キャスター付き
衣類乾燥だけでなく、お部屋を除湿する目的でも使いたい場合、除湿機を持ち運んで複数の部屋を移動することもあるでしょう。そんな時は底面にキャスターが付いたものが便利です。
本体サイズが大きく、タンクに水も溜まっているとかなりの重さになるため、キャスターの有無で普段の使いやすさに大きな差が出ますよ。
衣類乾燥除湿機の人気メーカー
ここからは、衣類乾燥除湿機を出している人気メーカーについて、それぞれの特徴をご紹介します。
Panasonic(パナソニック)
パナソニックの家電の多くには、独自の脱臭・除菌技術「ナノイー」が搭載されています。ナノイーの力で消臭はもちろん、臭いの元となる原因菌の除去まで可能。除湿方式はハイブリッド式に力を入れており、大容量タイプからコンパクトタイプまで種類も豊富です。
SHARP(シャープ)
シャープの強みは、独自の空気浄化技術「プラズマクラスター」です。洗濯物の生乾き臭を予防するだけでなく、スーツやコートなどの洗いづらい衣類に付いた臭いを消臭できる機能も備えます。除湿方式はコンプレッサー式が多く、スリムなデザインも人気です。
Mitsubishi Electric(三菱電機)
三菱電機の除湿機の特徴は、パワフルな除湿力です。「部屋干しおまかせムーブアイ」機能では、乾ききっていない衣類を狙って風を送ることができます。除湿方式はコンプレッサー式を採用。最上位モデルでは「おまかせ霜取」と「冬モード」が搭載されており、寒い冬でも除湿量を落としません。大量の洗濯物を一気に乾かしたい方におすすめです。
IRIS OHYAMA(アイリスオーヤマ)
アイリスオーヤマの衣類乾燥除湿機は、サーキュレーター付きや空気清浄機能付きなど、用途に合わせたさまざまなタイプを取り揃えています。除湿方式は、コンプレッサー式とデシカント式の2種類。シンプルな機能とデザインで低価格なため、コスパのよいメーカーとして人気があります。
梅雨の湿気対策や部屋干しにもおすすめな衣類乾燥除湿機
日常的に洗濯物を部屋干ししていると、生乾きの臭いや雑菌の繁殖がどうしても気になってしまいますね。消臭機能やパワフルな送風機能を備えた衣類乾燥除湿機を使えば、生乾きの不安を減らせて快適になりますよ。今回ご紹介した内容を参考に、自分の使い方に合うモデルを見つけてみてください。
生活に役立つ豆知識をお届けしているAQレントでは、加湿器や除湿器、空気清浄機といった空調家電のレンタルサービスを提供しています。レンタルなら必要なときだけ利用できるので、初期費用や処分の手間が省けて便利です。気軽に試せるレンタルで、まずは使用感を確認してみるのもおすすめですよ。