みなさんは食事の栄養バランスに気をつけていますか？ 私生活が忙しくてつい外食やコンビニ弁当で済ませてばかりいる、という方も少なくないと思います。
一方、自炊しているから大丈夫！ と思っている方も、自分の好きな物ばかりを作ってしまい、いつの間にか栄養が偏っているなんてことも。ダイエットをしようとして無理な食事制限をしている場合もあります。食事のバランスが崩れると身体を壊す危険性があります。
そこで今回は「バランスの良い食事とはどのようなものか？」について、必要な栄養素の基礎知識と、外食でも比較的バランスの取れた食事をするコツをご紹介します。
一人暮らしに必要な栄養素は？
まずバランスの良い食事についてお話していく前に、身体に必要な栄養素とは具体的にどんなものがあるかについてご説明します。
それぞれの栄養素の推奨量は性別や年齢によって変わります。自分はどれくらい摂取するのが理想なのか、何か足りない栄養素がないかを確認してみましょう。理想の食事を考えるときには「主食・主菜・副菜」の3つを意識すると、自然と栄養のバランスを整えられます。
脳と身体を動かす「主食」
主食とはごはんやパン、麺類などの「炭水化物」と呼ばれる食べ物のことで、炭水化物は脳や身体を動かすエネルギー源になる「糖質」を多く含んでいます。糖質制限ダイエットが話題ですが、糖質を摂らなさすぎても身体を動かすエネルギーが不足するため、適度に取り入れることをおすすめします。
身体を作り、体調を整える「主菜」
主菜は肉や魚、大豆、卵などの「タンパク質」を豊富に含んだ食材を用いた料理をいいます。
タンパク質は筋肉や細胞、ホルモンなどの身体を構成する成分には欠かせない栄養素の一つで、身体をより元気に若々しく保ってくれます。タンパク質を摂取するときには「脂質」も多く含まれている場合があるため、注意が必要です。
脂質も身体の大切な構成栄養素ではありますが、摂りすぎは生活習慣病の原因にもなりかねません。脂質の少ない赤身の部位を選ぶ、調理の際に脂身を切りとるなど、少しの工夫で脂質を適度に減らせます。
病気を予防する「副菜」
副菜とは野菜や海藻類、キノコなどを始めとした山菜類で作られる料理のことを指します。これらの食材には「ミネラル・ビタミン・食物繊維」が含まれています。
ミネラルやビタミンといった栄養素は身体の調子を整える役割を果たし、病気を予防します。また、糖質やタンパク質、脂質を効率よく利用する手助けをしてくれます。食物繊維は体内に吸収される栄養素ではないものの、腸内環境を綺麗にして便秘や下痢の予防に効果があります。
他にもとるべき野菜・果物や乳製品
糖質・タンパク質・脂質は食材に含まれる量が多いので、普通に食事をしていれば十分量を摂取できます。
しかし、ビタミンやミネラルは先に述べた3つの栄養素に比べて含まれる量が少なく、主食・主菜・副菜だけでは補い切れない場合もあります。
そんなときには果物・野菜や乳製品で必要な栄養素を補いましょう。特に若い世代の方は皮を剥くのが面倒だからと、果物を食べる習慣が減ってきているといわれています。バナナなどの簡単に皮を剥けるものやカットフルーツ、缶詰などで手軽食べられる果物もたくさんあるので、ぜひ一品だけでも加えてみてください。
さらに現代人はカルシウム不足が懸念されています。特に女性は過度なダイエットでカルシウムが不足し、若くても骨密度が低い方が多くなっています。牛乳やチーズなどの乳製品を意識的に摂るようにしてみましょう。
簡単に食べられる食品のおすすめ
それでも毎日毎食、栄養バランスを考えて準備するのは大変です。忙しい朝や帰りが遅くなってしまった夜にそこまでしっかり食べるのには抵抗がある……という方もいるでしょう。
そんなときは簡単に食べられて、かつ低カロリーで栄養も摂りやすい食品がおすすめです。例えば、サラダや野菜ジュース、ヨーグルトなどはビタミンやミネラルが豊富です。サラダに鶏むね肉や脂身を減らした豚しゃぶ肉を添えると、ヘルシーでかつタンパク質も摂取できます。
一人暮らしでも栄養バランスが整った食事をとる方法
主食・主菜・副菜にプラスアルファの食品から必要な栄養素を摂取することがおわかりいただけたところで、次に具体的な食事内容についてご説明していきます。
野菜をたくさんとれる鍋やスープがおすすめ
生の野菜はモサモサしているため、たくさん食べるのが苦手な方も多いですよね。そういう方は野菜をたくさん入れた鍋やスープがおすすめです。
野菜は加熱することでかさが減ります。またスープにすれば、調理によって流れ出た栄養素を取りこぼすことなく摂取できます。食物繊維が豊富に摂れますし、満腹感を得られやすいため、ダイエットレシピとしても重宝できます。
お弁当なら副菜を取り入れる
お昼にお弁当を食べるときには「副菜」をひとつ入れてみましょう。例えばサラダやカップスープ、野菜炒めなどです。一品増やすだけで食事のバラエティーが増え、色どりもよくなります。コンビニにも惣菜が単品売りされているので、その中から選ぶのもおすすめです。
昼食は量を少なめにする
朝食を抜いて、昼食をお腹いっぱい食べるという食事のパターンを耳にすることがあります。しかし、生活パフォーマンスを向上させるためには、むしろ朝食をしっかり食べて、昼食は少なめにすることをおすすめします。お昼に食べすぎると血糖値の乱高下で眠気に見舞われ、午後の仕事や学業に影響してくる場合があります。
朝食を中心に栄養バランスを考える
先ほど朝食はしっかり食べた方がよいとお伝えしましたが、時間がないからとつい朝食を抜きがちになる方が多いです。しかし、朝食は1日の活力を取り入れる大切なものです。
さらに朝起きたときはまだ身体が半分寝ている状態なので、朝食を摂って胃や腸に刺激を与えることでしっかりと目覚められます。
一人暮らしで健康を意識した食生活を送るコツ
バランスの整った食生活がどのようなものかが、少しイメージしやすくなってきた方もいるかもしれません。しかし、実際に挑戦してみようとするとなかなかハードルが高いのも事実です。続いては健康的な食生活を送りやすくなるちょっとしたコツをお伝えします。
週の献立・メニューを決める
バランスの良い食生活を送るコツは、まず数日または1週間程度のメニューを予め決めることです。一定の期間毎に献立を立てるようにすると、その日だけでなく数日間全体の食事バランスを見越して考えられます。
毎日献立を考えるのも一つの方法ですが、その場合どうしても1日の間だけでのバランスに目が行ってしまい、その前後の日とのバランスの兼ね合いを取りにくくなります。最初は数日間分の献立を考えるのが大変かもしれませんが、慣れてくると毎日考える必要がなくなるためラクになります。
ある程度メニューが決まっていれば、準備しなければならない食材も決まってくるので買い出しもしやすくなるでしょう。
食べた食事を記録する
もう一つのコツは食べた内容を記録することです。特に、先に述べた数日間の献立をまとめて立てられない方におすすめの方法です。
人間は特に意識することなく食事を行っています。そのため、意外と食事内容を覚えていないことも多いです。みなさんは一昨日の朝食が何か覚えていますか？ 5日前、あるいは1週間前はどうでしょう？
数日間すべての食事内容を覚えておくのはなかなか難しいものです。そこで毎日の食事内容を記録して、それを見返すことでバランスの確認を行います。食事内容を視覚化すると、自分が思っていたよりも食事量にズレがあると気づくことでしょう。
この気づきを利用したものが「レコーディングダイエット」です。食事を記録することは栄養バランスを整えるきっかけになるだけでなく、体重管理もできる有益な方法といえます。
一人暮らしでも栄養を意識して元気に過ごそう
今回はバランスのよい食事を摂るためのコツや具体的な食材についてお話してきました。
ここまでお読みいただいて、自分にはどんな食材が足りなかったのかにお気づきいただけた方もいらっしゃるかもしれません。この機会に男性も女性も栄養バランスを意識して、好き嫌いせず身体に良い食べ物を食べるようにしましょう。
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