ホテルの開業におすすめの立地とは？ 立地条件・物件選びのポイント

ホテルを開業するために、まず探さなければいけないのが物件です。どんな立地で、近隣に何があるのか、空港や駅からのアクセスは良いのか、高速道路のインターは近いのか、など物件選びにはさまざまなポイントがあります。今回は複数施設を展開するホテルの経営者の方や従業員の方、個人でホテルやゲストハウス開業を目指す方に向けて、立地条件と物件選びのポイントについて詳しく解説していきます。

ホテルの物件選びのポイント

まずはホテルを開業する際の物件選びのポイントについて解説します。ホテルを開業する物件を選ぶときに重要視したいのが「立地」です。近隣の環境やアクセスの良さ、人の流れなどを徹底的に比較して、1番需要のある場所を選ぶことが大切です。

いくらホテルのサービスや設備が良かったとしても、交通の便が悪かったり、車で行くにも幹線道路やインターチェンジからも遠すぎると集客は難しくなってしまいます。反対に、ホテルの近くに観光地があったり、イベントが開催される会場が近いなどの立地であれば、集客はしやすくなります。ただし、そういったいわゆる好立地ではライバルホテルが多く存在するので、他との差別化も重要になります。

アクセスが良い・便利な立地

ホテルの立地で重要視されるのは、「いかにアクセスしやすいか」が大きなポイントになります。駅から徒歩圏内であったり、バスですぐにアクセスできる便利な立地であれば集客には有効です。

駅・空港から近い

駅や空港からのアクセスはとても大事です。ビジネス目的では移動のしやすさがホテル選びの重要なポイントになりますし、観光目的でも、観光地からの移動のしやすさを重視する顧客は多いです。ビジネスや観光で疲れた体を休めるためのホテル。少しでも移動の負担が減るように、駅前や空港近くのホテルを選ぶのは顧客にとっては当然の選択です。

一方で、駅前にはホテルが密集している場合も多く、競争になることは避けられません。生存競争を生き抜くためには、価格やサービスなど、なんらかの差別化が必要になります。

高速道路のインターから近い

車で来る顧客が多い場合は高速道路のインターから近いと好条件です。高速道路のインターが近ければホテルまでの道がわかりやすく、観光地へ出かけるときもアクセスしやすくなります。

「インターチェンジから近い宿」でホテルを絞り込める宿泊予約サイトも多いため、重要視されているポイントであることがわかります。

幹線道路や主要な大通りに面している

幹線道路や大通り、繁華街から近いことも重要です。観光客にとっては慣れない場所、慣れない道でホテルを探す際、目印となる幹線道路や大通りに面しているとアクセスしやすく、迷うこともありません。また、繁華街の近くの立地では、ホテルから近い場所で買い物や食事ができたり、必要なものをいつでも手に入れられるので需要が高くなります。

コンビニに近い

近くにコンビニやスーパーがあるかどうかも大事です。コンビニやスーパーが近くにあれば、日用品や食料品などに不自由することはありません。また、ビジネス目的で長期滞在する顧客の場合は、ホテルのレストランでの食事より、コンビニやスーパーの食事で簡単に済ませることも多くなります。長期滞在顧客にとって、近くのスーパーやコンビニは特に重要だといえるでしょう。

インバウンド需要がある

外国人観光客が多く訪れるスポットの近くはホテルの開業場所として狙い目です。空港や人気の観光地近くにホテルを開業する場合は、インバウンド対応を前提とするべきでしょう。ホテルのインバウンド対応には、多国語対応、Wi-Fi設置、決済サービスの導入、トイレなどの水回りの整備、日本文化の体験や日本食が食べられる、SNSでの世界に向けた情報発信など多くの取り組みが求められます。

地方にある世界遺産など、国際的な知名度が高い割にホテルが少ない「穴場スポット」を探すのも効果的です。その地域の他のホテルと比べてインバウンド対応が充実していることがアピールできれば、差別化につながります。

ホテルの物件選びはタイミングも重要

ホテルの物件は必ずしも理想的な物件を常に見つけられるわけではありません。限られた条件の中で物件を選ぶタイミングも重要です。

新型コロナウイルスの影響で、ホテル業界は苦境に立たされています。外出の自粛や、観光地の閉鎖などで集客が見込めず、やむなく倒産や廃業を選択するホテルも徐々に増えてきています。

そこで注目されるのが「居抜き物件の売買」です。買い手にとっては一からホテルを建設するよりも遥かにコストを抑えることができ、比較的すぐに経営をスタートできます。

ホテルの物件探しは、ポータルサイトでホテルの売り物件が出るのを待つ方法と、マッチングサイトなどで売主と直接交渉する方法、不動産会社に相談し、ホテルの売り物件を探してもらう方法などがあります。経営不振に陥る地方のホテルを傘下に収め、リブランドして再生につなげている全国チェーンも存在します。

不動産は有限で、一度いい物件を見逃してしまうと、なかなか同じような物件を見つけるのは難しくなってしまいます。ホテルの居抜き物件という特殊な物件であればなおさらです。物件とめぐりあうタイミングを逃さないように、常に情報収集を怠らないようにしましょう。

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