毎年、冬には避けて通れないのがインフルエンザの流行ですね。流行規模が大きく、企業や学校などの集団で感染しやすいことが特徴です。インフルエンザにかからないよう、対策をとっている方も多いのではないでしょうか。このインフルエンザの流行には、空気の乾燥が大きく関係しています。
今回は、インフルエンザの概要や乾燥との関係、その対策法について詳しくご紹介します。
インフルエンザとは
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスを病原とする感染症のことです。日本では、例年11~12月に流行が始まり、1~3月ごろに患者数がピークを迎えます。ウイルスが体内に入ると、1~3日間ほどの潜伏期間の後、発熱、頭痛、関節痛、倦怠感などの全身症状が現れます。
普通の風邪のようにのどの痛みや鼻水を伴うことも多く、風邪の延長のように捉えられるかもしれません。しかし乳幼児ではまれに急性脳症を起こすことや、免疫力の低下した高齢者では肺炎を起こすこともあり、重症化のリスクをはらんだ危険な感染症と言えます。
インフルエンザウイルスの感染経路
インフルエンザウイルスの感染経路として、「飛沫感染」「接触感染」「空気感染」の3種類があります。以下で詳しく見ていきましょう。
飛沫感染
飛沫感染とは、ウイルスに感染した人から放出される唾液や鼻水などの飛沫を吸い込んで感染することです。新型コロナウイルスの流行でも取り上げられたとおり、咳やくしゃみをしなくても、普通に会話や呼吸をするだけでも常に飛沫は飛び散っており、その距離は感染者から1~2mに及ぶとされています。
接触感染
接触感染とは、ウイルスを含んだ飛沫が付着したものに手を触れてしまい、その手で自分の鼻や口、目といった粘膜に触れて感染することです。ものに付着したウイルスは2~8時間ほど生きているとされていて、手すりやドアノブ、電車のつり革など、不特定多数の人が触れる場所には注意が必要です。
空気感染
空気感染は、感染力を持ったウイルスが空気中を漂っている状態で、その空気を吸い込んで感染することです。飛沫が蒸発してさらに小さな粒子となることで、空気中にウイルスが舞います。このとき室内が乾燥していたり、換気が不十分であったりすると、ウイルスが感染力を長時間保ちやすく、空気感染が起こりやすい環境になってしまいます。
インフルエンザを予防する方法
このように日常生活の中で感染リスクが高いインフルエンザですが、予防方法として以下のような項目が示されています。
一般的によく聞く対策ではありますが、これは厚生労働省からも発表されているもので、しっかりと取り組み、組み合わせることで効果が高まります。
ワクチン接種
ワクチンを接種することで、感染・発症をしにくくなるほか、発症した場合でも重症化を防ぐ効果があります。しかしワクチンの効果が出るには接種から2週間程度の時間を要するため、インフルエンザの流行時期よりも前に接種を済ませておく必要があります。
手洗いとうがい
感染経路のひとつとして紹介した「接触感染」を防ぐ方法として、手洗いうがいは非常に効果的です。外出先から帰った後やトイレを利用した後、調理前などは特にしっかりと手洗いをしましょう。石鹸を泡立てて爪や指の間まで念入りに洗うことでウイルスを洗い流し、自分自身はもちろん、一緒に暮らす家族に感染が広がるのを防ぐことができます。
マスクの着用
人にうつさない、人からうつされないために、マスクの着用が推奨されます。マスクを着用することで、他人からの飛沫を吸い込まないようにするだけでなく、自分から飛沫を飛び散らせてしまうことも防げます。また、口腔内の保湿・保温効果もあるため、のどの乾燥対策にもなります。
規則正しい生活
免疫力が低下した身体はウイルスに感染しやすくなってしまいます。普段から睡眠を十分にとり、栄養バランスのよい食事をとることを心掛けましょう。規則正しい健康的な生活を送ることで免疫力が高まり、もしウイルスに感染してしまった場合でも症状悪化の防止につながります。
人混みや出入りの多い場所への外出を控える
近年の新型コロナウイルスの流行でも言われたとおり、「人との接触を控える」ことは感染予防として効果があります。むやみに感染流行シーズンに人の多い場所へ出かけることは避け、必要な時だけ、マスクの着用や手指の消毒等の対策をしっかり取ったうえで外出するようにしましょう。
インフルエンザウイルスと湿度・温度の関係
インフルエンザウイルスは、低温で乾燥した環境で活発になることが分かっています。冬の乾燥した空気の中、暖房器具で温めた部屋の中はさらに湿度が下がり、ウイルスが好む環境になります。一方で高温多湿な環境では感染力が下がるため、このことを踏まえて湿度・温度を調整することで対策が可能ですね。
インフルエンザの予防には湿度・温度管理が重要
インフルエンザウイルスが苦手な湿度・温度の目安として、湿度40~60%、室温20°以上が良いとされています。空気中の水分が増えて湿度が上がることで、ウイルスは遠くまで飛ぶことができずに床に落ちます。
また、保湿された部屋の中ではのどや鼻の防御機能も働きやすくなるため、感染リスクが下がります。エアコンで部屋を暖める場合は、同時に加湿にも気を配ることで感染対策になるのです。
乾燥対策に効果的な加湿器を設置しよう
部屋の湿度を適切に保つには、加湿器が便利です。大きさや加湿方式の違いによってさまざまなタイプがあるため、部屋の広さや加湿し続けたい時間に合わせてぴったりのものを選ぶことができますよ。カビが発生しないよう、こまめなお手入れが必要にはなりますが、インフルエンザ対策の面からも湿度調整に使える加湿器の設置はおすすめです。
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空気清浄機はインフルエンザの予防になる?
空気清浄機とは、空気をフィルターに通すことでホコリや花粉を取り除くものです。本来のこの機能だけを見ると、インフルエンザの予防になるとは言い切れません。
しかし最近の製品の中には、加湿機能が付いたものや除菌効果のあるもの、ウイルス除去の効果があるHEPAフィルターを搭載したものなど、インフルエンザ予防に使えるタイプもあります。とはいえ、インフルエンザ対策には湿度調整がもっとも効果的であるといえるため、加湿器との併用もおすすめですよ。
加湿器を活用して、風邪やインフルエンザ予防を
インフルエンザの予防には、湿度を適切に保つことが重要です。ウイルスの活性化を防ぎ、のどや鼻の防御機能を高めるためにも、部屋の湿度調整を心掛けましょう。乾燥が気になる冬場は特に、加湿器を取り入れてみてくださいね。あわせて予防接種や手洗いなども徹底し、ウイルスの侵入をしっかりとブロックしましょう。
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