移動手段が寝返りのみだった赤ちゃんがハイハイを覚えると、部屋中を自由に動き回れるようになります。新しい世界に触れ、興味がさらに広がる大切な時期ですね。
今回は、ハイハイはいつ頃からはじまるのか、またハイハイの練習方法や注意点などを解説します。
赤ちゃんがハイハイするのはいつからいつまで?
赤ちゃんはいつからいつまでハイハイをするのでしょうか? まずはハイハイをする時期の目安を紹介します。
ハイハイはいつからするのか
赤ちゃんがハイハイをはじめるのは平均で生後7ヶ月~生後8ヶ月頃とされています。とはいえ赤ちゃんの発達スピードは個人差が大きく、ハイハイをはじめる時期はまちまちです。早いと生後5ヶ月頃からはじめはじる子もいますし、平均より遅い子もいます。
9~10ヶ月検診では「ハイハイするか」がチェック項目にあり、また生後10ヶ月頃までには90%の赤ちゃんがハイハイできるようになると言われています。ただしあくまで目安なので、なかなかハイハイをはじめなくても過度な心配はいりません。なかにはハイハイをせずにつかまり立ちをはじめる子もいます。
赤ちゃん自身のペースで発達していくので、気長に見守りましょう。
ハイハイはいつまでするのか
ハイハイができるようになると、続いて「つかまり立ち」「伝い歩き」ができるようになります。ハイハイの卒業目安は1歳を過ぎた頃ですが、伝い歩きができるようになってすぐにハイハイをやめるわけではありません。
なかにはひとり歩きが始まっても、よちよち歩きでは移動しにくいのでしばらくハイハイを続ける子もいます。歩行が安定してくれば自然にハイハイはしなくなるので、心配せずに見守ってあげましょう。
ハイハイの種類
ハイハイと言えば手のひらと膝を床に付けて進む「四つばい」のスタイルを思い浮かべますが、他にもいくつかの種類があります。
- ずりばい
- 四つばい
- 高ばい
- お尻ハイハイ
多くの赤ちゃんがまずはじめるのが「ずりばい」。ずいばいとは、腹ばいの姿勢で手やひじを使って這うように進むスタイルのことです。やがて手をついて上半身を支えられるようになってくると、膝をついて歩く「四つばい」(一般的なハイハイ)へと変化します。
さらに膝を床につけず、お尻を高く上げて手と足の裏だけで体を支えながら進む「高ばい」をする赤ちゃんも見られます。
これらのハイハイは、必ず全ての種類を順番にするわけではありません。高ばいをしないでつかまり立ちをはじめる子や、ずいばいしかしない子もいます。9~10ヶ月検診では、ずいばいを含め「這って移動できる」ようであれば「ハイハイできる」に当てはまるので、どれかができなくても特に心配はいりません。
またお座りしたままお尻でずりずりと移動する「お尻ハイハイ」をする子もいます。赤ちゃんの好みによって、さまざまなスタイルのハイハイで体を動かすことを楽しんでいるんですね。
ハイハイまでの成長過程
赤ちゃんはさまざまな成長過程を経て筋力が増え、運動機能が発達するとハイハイできるようになります。ここでは寝返りからハイハイまでの成長過程と目安時期を見ていきましょう。なお、それぞれの項目は赤ちゃんによって順番が前後したり、時期がずれたりすることもあります。
首がすわる: 生後3ヶ月頃
生まれたばかりの赤ちゃんは首を支えてあげないとぐらぐらしてしまいますが、生後3ヶ月頃になると首がすわるようになります。縦抱きにしたときに、首を支えなくてもぐらぐらしなくなれば首すわり完成です。うつ伏せにするとひじで体を支え、首を持ち上げられるようになります。
寝返り: 生後4ヶ月頃~生後6ヶ月頃
仰向けの状態から横を向き、自力でうつ伏せの状態になることができれば寝返り完成です。はじめは片方にしか寝返りしないなんてことも多いですが、とくに問題ありません。しだいにうつ伏せから仰向けの状態に移動する「寝返り返り」もできるようになってきます。
おすわり: 生後6ヶ月頃~生後8ヶ月頃
生後6ヶ月頃になると、両手を床に付け、体を支えておすわりできる赤ちゃんが増えてきます。ハイハイをはじめる前にできるようになる子が多いですが、おすわりが安定してくるのは生後10ヶ月過ぎが目安です。背中の筋肉が発達してくると、手をつかなくても安定しておすわりできるようになってきます。
ずりばい: 生後6ヶ月頃~生後8ヶ月頃
ずりばいとは、うつ伏せの状態で手のひらや足で地面を押して這うように進む動作のことです。手を前に出す動作をするには筋力が不十分なため、はじめのうちは後ろに進むずりばいをする子が多く見られます。おすわりをはじめる前にずりばいをすることもあれば、ずりばいをせずにハイハイをはじめる赤ちゃんもいます。
ハイハイ: 生後8ヶ月頃~生後10ヶ月頃
お尻を持ち上げて手のひらと膝で体を支える、いわゆる四つばいになって進むスタイルのハイハイは、生後8ヶ月~生後10ヶ月頃にできるようになる子が増えます。なかには膝をつかず、お尻を高くあげ手のひらと足の裏で体を支えて進む「高ばい」を始める子も。赤ちゃんによって高ばいをしなかったり、ずりばいしかしないままつかまり立ちへ移行したりする子もいます。
早い? 遅い? ハイハイをしない原因は?
ハイハイをする時期になってもなかなかはじめない場合は、お部屋の環境や赤ちゃんの性格などが原因かもしれません。
ハイハイをするためにはある程度のスペースが必要ですが、部屋が狭かったりつかまれる家具が多かったりすると、ハイハイせずにつかまり立ちへ移行してしまうケースがあるようです。また安全のためにベビーサークルの中で遊ばせている場合も、遊ぶスペースが少ないためハイハイできない・しないといったことが考えられます。
それ以外にも、おすわりして遊ぶことが好きだから、ずりばいが好きだからといった理由からハイハイに興味がないというケースもあります。
なかなかハイハイをはじめないと不安になるかと思いますが、ハイハイは必須の動作ではありません。
ハイハイをせずに歩きはじめる「シャフリングベビー」と呼ばれる赤ちゃんもいます。ハイハイではなくおすわりの状態でお尻を引きずって移動するのが特徴で、うつ伏せを嫌がる子が多いようです。発達がゆっくり目ですが、ひとり歩きをはじめればほとんどはその後問題なく成長すると言われています。
1歳を過ぎてもおすわりが安定しない場合は、先天性の病気の可能性もあります。気になることがあれば、一度かかりつけの小児科医に相談しましょう。
ハイハイの練習方法
ハイハイをはじめる時期になったら、無理のない範囲で練習してみるのもおすすめです。ハイハイの練習には以下のようなものがあります。
- ハイハイできるスペースを確保する
- うつ伏せに慣れさせる
- 前に進むことに興味を持たせる
- ママやパパがハイハイをして見せる
- 足の裏を押して進むサポートをする
- 腰を持ち上げる練習をする
まずはハイハイできるように床を片付けて、広い空間を確保しましょう。そしてハイハイの前にうつ伏せに慣れさせておくのも重要です。
なかにはうつ伏せの姿勢が苦手な赤ちゃんもいますが、おもちゃなどを置いて興味を引き、少しずつうつ伏せのまま遊ぶ練習をしてみてください。慣れてきたらおもちゃを少し遠くに置いて、前に進んでおもちゃを手に取りたいという気持ちを引き出しましょう。これがきっかけでずりばいやハイハイをはじめる子もいます。
また、おうちの方がお手本になって、ハイハイをして見せるのも良いでしょう。ママやパパの真似をしながら自然とハイハイの動作を覚えてきます。そしてハイハイの仕方がわからない赤ちゃんには、足の裏を押してあげて、前に進むためのサポートをするのも効果的です。
うつ伏せの姿勢からなかなか腰を上げられない場合は、胸の下あたりに丸めたバスタオルやクッションなどを敷いてみましょう。上半身を起こした姿勢になり、自然と両手を突っ張れるのでハイハイの姿勢の練習になります。ただし長時間行うと胸部に負担がかかるので、短時間の練習にしましょう。
ハイハイを始めたときに注意することは?
ハイハイをするようになると赤ちゃんの行動範囲がぐっと広がるので、さまざまな危険があります。赤ちゃんがハイハイをはじめたら、以下の注意点を押さえて安全対策を行いましょう。
床を整理整頓する
床の上には、ハイハイがしやすいように物をあまり置かないようにしましょう。そして床面をきれいに保つことも大切です。ハイハイする赤ちゃんは、床から約30cmの高さを動き回ります。
ほこりが溜まっていると吸い込んでしまう恐れがあるので、こまめに床を掃除しましょう。フローリングの雑菌が気になる場合は、お酢や重曹を使えば赤ちゃんの体に優しいので安心ですよ。
また赤ちゃんが滑らないように、滑り止め付きのラグやマットなどを敷くのもおすすめです。よだれで汚れてしまうことも多いので、手軽に洗えるものが良いですね。汚れたら部分的な掃除で済むジョイントマットも便利です。
誤飲に注意する
この時期の赤ちゃんは、興味があるものは何でも口に入れてしまう習性があります。そのため床をはじめ、棚・テーブルの上などにも誤飲しやすい小さなものを置かないようにしましょう。
小さなクリップ・ボタン・電池・硬貨・アクセサリー・たばこ・薬などはとくに危険です。ビニールなどのゴミや、豆類などの硬い食品も飲み込む可能性があるので注意しましょう。
誤飲のほかにも刃物や灰皿・熱い飲み物・電気のコードなども、赤ちゃんがいたずらすると思わぬ事故になりかねません。ハイハイをはじめたらこれらのものは、極力赤ちゃんから遠ざけましょう。
つかまり立ちの対策もする
赤ちゃんによっては、ハイハイをはじめて間もなくつかまり立ちをはじめる子もいます。赤ちゃんは何でもつかむので、手が届く高さにある家具やテーブルの上のもの、電化製品などの転倒対策をしておきましょう。棚の扉には、チャイルドロックを取り付けると安心です。
またドラム式の洗濯機があるご家庭は、赤ちゃんが中に入ってしまう危険性があるので必ずフタを閉めておきましょう。
生活環境を整えて赤ちゃんの成長をサポートしよう
0歳~1歳の赤ちゃんはめまぐるしいスピードで成長します。できることが増えていくたびにママパパは嬉しいですよね。しかしながらこの時期の発達具合は個人差が大きいので、ときにはまわりの子と比較して焦ってしまうことも。
なかなかハイハイをはじめないと不安になるかもしれませんが、発達が早ければ良いというものではありません。今回紹介したようにハイハイをしない赤ちゃんもいますし、大きくなってひとり歩きできるようになればとくに問題はないので安心してくださいね。赤ちゃんがハイハイしやすい環境を整えてあげて、無理のない範囲で楽しく練習してみましょう。
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