赤ちゃんを車に乗せるときに使うチャイルドシート。事故の衝撃から赤ちゃんの身体を守るため、新生児期から乳児期は進行方向とは逆の「後ろ向き」で設置しなければなりません。それはなぜなのでしょうか。また、後ろ向きから「前向き」に変えることができるのはいつからなのでしょうか。
今回はチャイルドシートを後ろ向きにしなければならない理由と、チャイルドシートを前向きに変える時期、設置するのにおすすめの場所をご紹介します。
なぜ前向きではだめなの? チャイルドシートを後ろ向きに装着する理由
新生児期や乳児期のお子さんを乗せる場合、チャイルドシートは後ろ向きで装着しなければならないとされています。では、なぜチャイルドシートは前向きで取り付けてはいけないのでしょうか? その理由は、万が一の事故や急ブレーキの際に赤ちゃんを守るためです。
新生児の身体を前方の衝撃から守るため
新生児期や乳児期の赤ちゃんは体の発達が未熟です。赤ちゃんが前向きのチャイルドシートを装着した状態で前方から衝撃を受けると、身体が固定されているため頭が前に飛び出してしまい、頸部を損傷する重大な怪我につながります。
事故が起こった際の子どもへの被害を最小限にするため
チャイルドシートに後ろ向きで座ることで、事故が起こった際に一番広い背中で衝撃を吸収し、首や脊髄への負荷を分散できます。お子さんを事故から守るために、決められた期間は後ろ向きで装着するようにしましょう。
チャイルドシートを前向きにするのはいつ(何歳)から?
新生児期や乳児期に後ろ向きで乗せなければならない理由をお伝えしましたが、チャイルドシートを前向きに変えても良いのは何歳からなのでしょうか。
切り替えが必要な基準(年齢・体重)は製品で異なる
チャイルドシートの向きの切り替え時期は製品によって異なります。これは、現在適用されている安全基準が旧安全基準のR44と新安全基準のR129の2つあるためです。
旧安全基準では向きの切り替え基準が体重(9kg=1歳頃)であったのに対し、新しい安全基準では身長(76cm)と月齢(生後15ヶ月)で定められています。今後は1歳半頃が切り替え時期の主流になっていくでしょう。
使用しているチャイルドシートの取扱説明書をよく読み、適応期間内ギリギリまではより安全な後ろ向きで使用することをおすすめします。
車へのチャイルドシートの正しい取り付け方法や注意点
チャイルドシートの固定は「ISOFIX」方式が確実に行えて現在の主流ですが、シートベルト固定方式の場合も正しく取り付ければ安全に使用できます。ここではシートベルト固定式での正しい取り付け方法と注意点をご説明します。
前向きチャイルドシート
- チャイルドシートの背面と座席に隙間がないように注意する
- シートベルトを長めに引き出して作業をしやすくしておく
- チャイルドシートの指定の位置にシートベルトを通す
- シートベルトを車のバックルに差し込む
- チャイルドシート背面のロック部分にシートベルトを通す
- シートベルトをゆるみのないように引き締めてしっかり固定する
後ろ向きチャイルドシート
- チャイルドシートと前の座席に隙間がないように注意する
- シートベルトを長めに引き出して作業をしやすくしておく
- チャイルドシートの指定の位置にシートベルトを通す
- シートベルトを車のバックルに差し込む
- チャイルドシート背面のロック部分にシートベルトを通す
- シートベルトをゆるみのないように引き締めてしっかり固定する
前向き・後ろ向きどちらの場合も、チャイルドシートと座席を隙間なく付けることでしっかり固定され、衝撃を受け止めることができます。また、取り付け後にシートベルトのねじれがないこと、ぐらつきがないことをしっかり確認しましょう。
助手席はNG? チャイルドシートを取り付けるおすすめの位置
チャイルドシートを助手席へ取り付けるのは違法ではありませんが、避けた方がよいと言われています。なぜなら助手席は衝突時にエアバッグが作動し、重大な事故につながる恐れがあるからです。また、運転席の隣にお子さんが乗っているとどうしても気になってしまいますし、前方不注意の原因になります。
取り付け位置は後部座席、特に運転席の後ろが一番安全です。大切なお子さんをのせるチャイルドシートは安全性の高い運転席の後ろに取り付けることをおすすめします。
一台で後ろ向き・前向きを切替できる人気のチャイルドシート
一台で後ろ向き・前向きを切り替えできる人気のチャイルドシートを4つご紹介します。
Combi(コンビ)|クルムーヴ スマート エッグショック JN-550
コンビのクルムーヴ スマート エッグショック JN-550は新生児から4歳頃まで使える回転式チャイルドシートです。指1本のワンタッチ操作で360°回転とリクライニングができます。お子さんの成長に合わせてヘッドレストを8段階に調節が可能。コンパクトなので車内を広々と使えるでしょう。
Combi(コンビ)|ウィゴー ロング HI
コンビのウィゴーロングHIは新生児から7歳頃まで使えるロングユースタイプ。これ一台で着用義務期間をカバーできます。また、本体重量が5.4kgなので持ち運び、載せ替えがらくらく。座面が低く、お子さんの乗せ降ろしがスムーズなのも嬉しいポイントです。
Aprica(アップリカ)|ディアターン プラス AB
アップリカのディアターン プラスABは新生児から4歳頃まで使える回転式チャイルドシートです。回転と3段階リクライニング操作は片手ででき、赤ちゃんの乗せ降ろしやお世話が楽になります。成長にあわせて新生児期は平らなベッド型、首すわりから1歳頃は後ろ向き、4歳頃までは前向きと理想的な姿勢を保てます。
joie(ジョイー)|Arc360°
カトージのジョイー Arc360°は新生児から4歳頃まで使える回転式チャイルドシートです。前向き、後ろ向きでそれぞれ5段階にリクライニングが可能です。取り付けはISOFIX固定に対応しています。
チャイルドシートを正しく使って、赤ちゃんと安全なドライブを楽しもう
赤ちゃんの命を守るチャイルドシート。運転中に赤ちゃんの様子が分からないのは不便ですが、赤ちゃんを守るためにできるだけ長く後ろ向きで装着するようにしましょう。また、間違った装着方法ではチャイルドシートをしていても怪我をするおそれがありますので、取扱説明書をよく読み、正しく装着してください。
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