ホテル照明の選び方の基本を解説！ リラックス空間を演出するには？

「ホテルのインテリアをもっとおしゃれにしたい…」と思ったら、照明に気を配るのが得策！ ひとつひとつは小さいものですが、照明はホテルの空間演出のために欠かせないアイテムです。また、照明の選び方は、ホテルのコンセプトによっても異なります。ホテルのインテリアを格上げするためには、そのホテルの雰囲気に合う照明を選ぶことが大切です。

とはいえ「照明はどれも同じに見える」「どうしたらおしゃれになるかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか？ そこでこの記事では、それぞれのホテルに最適な照明の選び方を詳しく説明します。照明選びにお困りのホテル関係者の方は、ぜひチェックしてみてください。

ホテルの照明は暗めが多い

一般的に、ホテルの照明は暗めに設定されていることが多いですよね。これには、ホテル本来の役割が大きく関わっています。

少し想像してみてください。蛍光灯の明かりが煌々とついている空間と、やわらかい光に包み込まれたほの暗い空間、どちらがリラックスできるでしょうか？ 人間の体はもともと明るい時間に活動し、暗い時間に休むように設計されているので、煌々とした光では脳が覚醒モードになってしまいます。一方、ほの暗い空間では脳がリラックスモードに入り、自然とくつろげるものです。

ホテルは本来、旅先の疲れを癒すところ。ゆったりとくつろぎ、体を休めるための空間です。お客様に極上のリラックスタイムを提供するためには、ほのかな光が最適。また、暗めの照明をいくつか設置すると、お客様がシチュエーションや好みに応じて光の量を調節できるというメリットもあります。

間接照明を活用

お客様にリラックスしてお過ごしいただくために、客室では間接照明を活用しましょう。

間接照明とは、光を壁や床などに当て、その反射光で空間や手元を照らす照明のことです。背が低く、電球を覆うようなシェードがついているのが一般的で、主にデスク周りやベッド周りで用いられます。

反対に、蛍光灯など一般的な室内で使われる照明を「直接照明」と言います。特定の場所を直接的に照らす照明が直接照明、反射光で空間全体をやわらかく包み込む照明が間接照明と覚えておきましょう。

間接照明を用いる利点は、やはりリラックス効果の高さです。間接照明の光はとてもやわらかく、自然と落ち着いた気持ちにさせてくれます。また、部屋全体を照らすわけではないため、リラックスタイムに最適な光量を実現できるのもポイントです。

さらに、間接照明はデザイン性の高いものが多く、客室をおしゃれに演出することができます。クラシカルなものからモダンなものまで幅広いタイプがあるため、ホテルのコンセプトに合わせて最適な間接照明をチョイスしましょう。

照明の選び方

ここからは、照明の選び方を具体的にご説明します。ホテルの照明を探す際は、以下の2点に気を配ってみてください。

コンセプト・インテリアに合わせた照明を選ぶ

照明選びの前にまずしておきたいのが、ホテルのコンセプトを明確にすること！ 照明はホテルのインテリアを構成する重要なアイテムなので、照明をひとつ変えるだけで、客室の雰囲気がガラリと変わることもあります。

たとえばリゾートホテルとビジネスホテルでは、そもそものコンセプトやインテリアが違うため、最適な照明もまったく異なります。具体的には、リゾートホテルではラタンや竹などの素材を使用したデザイン性の高いもの、ビジネスホテルではシンプルで機能性の高いものが合うでしょう。照明をいくつか設置する場合は、統一感を意識することも重要です。天井にはクラシカルなペンダントライト、ベッドサイドには和テイストの間接照明……というように、異なるテイストの照明を設置してしまうと、チグハグな印象を与えてしまいます。

これは極端な例ですが、一見色味やテイストが揃っているように見えても、全体を俯瞰して見たときに違和感を覚える場合は別の商品を検討してみましょう。

インテリアのセンスに自信が持てない場合は、同じメーカーの同じシリーズを揃えるのもひとつの手です。ベッドやソファーなどを同じメーカーの商品にすると、さらに統一感が生まれるでしょう。

LEDか白熱電球を選ぶ

照明を選ぶ際はデザインだけでなく、電球の種類にも気を配りましょう。あたたかみのある光や、ノスタルジックな光など、使用する電球の種類によって室内の印象は大きく変わります。

電球は、「白熱電球」と「LED電球」の2種類に大別することができます。白熱電球は電球の中にある細い線に電気が流れて熱くなると光る仕組みになっており、やわらかい暖色系の光が特徴です。また、明るさを落としていくと赤みが増し、まるで夕日に照らされているような空間を演出できます。日本で昔から用いられてきたタイプの電球で、ノスタルジックな光が魅力です。ただし、白熱電球は寿命が短く、1日10時間使用した場合、3～6カ月ごとに交換する必要があります。また、電気代が多くかかるのもデメリットです。

一方、LED電球は発光ダイオードという半導体が電気を流すことで発光する仕組みになっています。白熱電球と比べて値段は高額ですが、消費電力が8分の1程度と省エネ仕様で、寿命も長いため長期間使うことができます。1日10時間使用しても10年以上使用できるため、交換の手間もかかりません。近年は利便性の高さや環境への配慮から、白熱電球からLED電球への置き換えが広く進んでいます。

客室用タブレットを照明スイッチ代わりにするホテルも

その他、ホテルの照明に関するトレンドとして、客室用タブレットとの連動機能があります。近年は多機能な客室用タブレットを設置するホテルも増えていますが、その中には照明のスイッチをオンオフできるものもあります。ベッドでくつろぎながら簡単に照明機能を調節できるため、多くのお客様からお喜びいただけるでしょう。これからのホテルの照明を考える際はスマート家電化を検討してもよいかもしれません。

ちなみに、客室用タブレットには、他にも館内のお知らせ機能やフロントとのテキストチャットなど、さまざまな機能が搭載されています。ぜひ導入を検討してみてください。

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