空調・季節家電

オイルヒーターの電気代はいくら? エアコンとの比較や高い電気代を節約する方法

暖房器具の中でも安全性が高く、メンテナンスの手間も少ないオイルヒーターの人気が高まっています。しかしながら「電気代が高い…」という声が聞かれることもあります。

今回はオイルヒーターが人気の理由や、エアコンとの電気代の比較などを紹介します。さらに効果的に使うテクニックもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

冬に活躍する暖房器具、オイルヒーターとは

オイルヒーターとは電気でオイルを温め放熱し、輻射(ふくしゃ)熱で室温を上げる暖房器具です。

オイルヒーターの内部には放熱板(フィン)が付いた密封容器があり、そこに難燃性の油が入っています。電気で温められた油は張り巡らされたパイプを循環し、パネルから熱を出すことで空気を伝って部屋全体を暖めてくれるという仕組みです。

オイルヒーターは風や炎を発生させず暖めるので、安全で静かな暖房器具と言えます。また部屋全体を均一に暖められるのが特徴です。エアコンなどは天井と床の気温差が生じますが、オイルヒーターは部屋全体がぽかぽかと太陽光を浴びているような暖かさになります。

オイルヒーターのメリット・デメリット

他の暖房器具とは少し変わった仕組みのオイルヒーター。ここではメリット・デメリットに分けて特徴を紹介します。

オイルヒーターのメリット

オイルヒーターには以下のメリットがあります。

  • 空気が乾燥しにくい
  • 空気が汚れにくい
  • 安全性が高い
  • お手入れの手間が少ない

それぞれ詳しく解説していきます。

空気が乾燥しにくい

オイルヒーターは、エアコンやファンヒーターのように風を排出する暖房器具ではありません。そのため空気が乾燥しにくいのが特徴です。エアコンによる乾燥で喉が痛くなったり、肌の乾燥が気になったりする方には、オイルヒーターはぜひおすすめですよ。

空気が汚れにくい

オイルヒーターは輻射熱で部屋を暖める暖房器具です。部屋の空気を吸ったり、風を排出したりしないため、空気を汚さないというメリットがあります。また火も使っていないので、一酸化中毒の心配もいりません。

エアコンやファンヒーターは部屋の空気を吸い込むため、フィルターに汚れが溜まっていきます。こまめに掃除をしないと、フィルターのほこりやハウスダストを含んだ空気が部屋中に広がってしまう危険性もあります。小さなお子さまが居るご家庭や、アレルギーにお悩みの方はオイルヒーターの方が安心できますね。

安全性が高い

オイルヒーターは触れても火傷やケガの心配が少なく、安全性が高い暖房器具と言えます。電気の熱によって部屋を暖めており、本体の表面温度は約60~80℃ほど。万が一手を触れてしまっても火傷のリスクが低く、お子さまがいるご家庭でも比較的安心して使用できるでしょう。

また回転部品がないためケガの心配が少ないのはもちろん、静音性が高いのも嬉しいポイントです。

お手入れの手間が少ない

オイルヒーターの中身のオイルは完全密封されているので、燃料の補充や交換は必要ありません。日々のお手入れは本体表面に溜まったほこりを取るだけでOK。他の暖房器具に比べ、お手入れの手間が少ないのが特徴です。

エアコンやファンヒーターは、定期的にフィルターの掃除をするのが手間ですよね。さらに多くの暖房器具は燃料の補充や交換、定期的なメンテナンスが必須です。こういった手間やメンテナンス費用が一切かからないのが、オイルヒーターの強みと言えるでしょう。

オイルヒーターのデメリット

オイルヒーターは快適な暖房器具という印象ですが、以下のようなデメリットもあります。

  • 暖まるのに時間がかかる
  • 設置スペースの確保が必要
  • 廃棄に手間がかかる
  • 電気代が割高

それぞれ詳しく解説していきます。

暖まるのに時間がかかる

オイルヒーターは電気でオイルを温めて放熱し、部屋の空気を暖める仕組みです。そのため部屋全体が暖まるのに時間がかかります。自然な暖かさがメリットですが、暖まるまで1時間程度かかることもあるので、短時間で室内を暖めたい場合には適しません。

朝や帰宅後など、すぐに部屋を暖かくしたいときは工夫をしてみましょう。タイマー機能を活用したり、他の暖房器具とあわせて使ったりするのがおすすめです。

設置スペースの確保が必要

オイルヒーターは内部の構造上、本体サイズが大きい傾向にあります。エアコンのように壁付けはできないので、ある程度の設置スペースを確保しなくてはなりません。そのため狭い部屋には不向きと言えるでしょう。

また、オフシーズンの収納場所も確保する必要があります。メーカーやモデルによってサイズが異なるので、購入前に大きさを確認しましょう。

廃棄に手間がかかる

オイルヒーターの内部には油が入っているため、自治体によって廃棄方法が異なります。粗大ごみとして出せることが多いですが、中の油を抜いてからでないと処分できない自治体も。

本体が大きく重たいせいで運び出すのも大変です。お手入れの面倒が少ないオイルヒーターですが、廃棄の際は手間がかかる可能性があるので注意しましょう。

電気代が割高

オイルヒーターは他の暖房器具に比べ、電気代が割高です。また時間をかけて部屋を暖める仕組みなので、長時間使用することが想定されます。そのためどうしても電気代がかさみがちです。具体的な電気代については、この後解説するので参考にしてくださいね。

詳しくはコチラ

オイルヒーターの電気代はいくら? 相場と計算方法

オイルヒーターは電気代が高いと言われていますが、実際にどれくらいかかるのか計算してみましょう。オイルヒーターの多くは3~5段階に温度設定ができ、消費電力の平均は600~1,500W程度です。

オイルヒーターの電気代は、以下の計算式で算出します。

電気代(円)=消費電力(W)÷1,000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電気料金(円/kWh)

それでは実際にオイルヒーターの電気代の相場を計算してみましょう。(1kWh=27円で算出)

≪1時間使用したときの電気代≫
600W÷1,000×1時間×27円=16.2円
1,500W÷1,000×1時間×27円=40.5円

≪8時間使用したときの電気代≫
600W÷1,000×8時間×27円=129.6円
1,500W÷1,000×8時間×27円=324円

このように、1日8時間の使用を想定すると、電気代は129.6円~324円が相場となります。ただし製品によって消費電力に違いがあります。

さらに使用する部屋の広さや断熱性、外気温などの条件によっても電気代は変化するので、こちらはあくまで目安として参考にしてください。

エアコンより安い? 高い? 電気代の違いを比較

エアコンの暖房機能を使った場合の電気代も確認しておきましょう。資源エネルギー庁が発表する「省エネ性能カタログ2021年版」によると、冷房能力2.5kW(7~10畳)の暖房時の消費電力量の平均値は578Wとなっています。これをもとに電気代を算出します。

≪1時間使用したときの電気代≫
578W÷1,000×1時間×27円=15.606円

≪8時間使用したときの電気代≫
578W÷1,000×8時間×27円=124.848円

先ほど算出したオイルヒーターの電気代と、エアコンの電気代と比較すると以下の通りです。

1時間の電気代 8時間の電気代
オイルヒーター  16.2~40.5円 129.6~324円
エアコン(暖房)  15.6円 124.8円

エアコンも対応畳数や使用条件によって電気代は大きく異なりますが、今回算出した目安を比較するとやはりオイルヒーターの方が割高ということがわかります。

部屋のサイズ別空気清浄機ガイド

詳しくはコチラ

オイルヒーターの電気代を節約する方法

消費電力が気になるオイルヒーターですが、ちょっとした工夫をすれば電気代を節約できますよ。電気代が高くてお悩みの方は、ぜひ実践してみてください。

窓や出入り口に置く

オイルヒーターで部屋を効率よく暖めるには、窓際や出入口などに設置するのがポイントです。こうすることで冷気の侵入を防ぎ、暖気のカーテンができて部屋が早く暖まります。

温度設定を低くする

オイルヒーターは部屋全体をムラなく暖めるので、設定温度より体感温度は高く感じます。そのため他の暖房器具より低く設定しても十分暖かいですし、電気代の節約にもなります。

また輻射熱で暖めるオイルヒーターは部屋の温度変化が緩やかで、電源をオフにしてからもしばらくは部屋が暖かいのが特徴です。そのため外出や就寝の1時間前など、早めに電源を切るのがおすすめです。

部屋の気密性を高くする

オイルヒーターは気密性・密閉性が高い部屋での使用が向いています。ドアを頻繁に開閉したり、換気など空気の出入り口があったりすると、暖気が逃げてしまい部屋がなかなか暖まりません。冷気の入り口となっている隙間を塞ぐと暖房効率が上がり、電気代の節約になりますよ。

部屋の構造も関係しますが、住宅によっても効果は変わります。築20~30年以上の木造建築は気密性が低いため、オイルヒーターは不向きと言えるでしょう。比較的新しい断熱性能が高い木造建築や、鉄筋コンクリートの住宅はオイルヒーターの暖房効果が期待できます。

タイマー機能やエコモード(省エネモード)を活用する

オイルヒーターは部屋の暖かさが持続しやすいので、タイマー機能を上手に活用することで電気代の節約になります。帰宅前にオンタイマーをセットしたり、就寝時にオフタイマーをセットしたりしておけば、ムダなく部屋を暖かい状態に保てるでしょう。

また、エコモード(省エネモード)が搭載された製品も増えています。モードを切り替えるだけで20%近く節電できるモデルもあるので、長時間使用する場合はぜひ活用しましょう。ただしエコモードは通常モードよりも部屋が暖まりにくい場合があるので、初めは通常モードで運転して、しばらくしてから切り替えるのがおすすめです。

他の暖房器具と一緒に使う

広い部屋でオイルヒーターを使用する場合は、他の暖房器具と一緒に使うのも良い方法です。

オイルヒーターは部屋が暖まるまでに時間がかかります。そのため、初めにエアコンやファンヒーターなどで部屋の温度を上げてからオイルヒーターに切り替えると、電気代の節約になります。

人気のオイルヒーターを賢く使って、冬を快適に

オイルヒーターは安全性が高く、空気を汚さないのでお子さまが居るご家庭にもおすすめ。メリットが多いのでぜひ活用したいという方も多いかと思いますが、電気代が割高なのが悩みどころです。今回紹介したように工夫すれば電気代を抑えられるので、ぜひ実践してみてください。

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