毎日寝るときに使う枕ですが、洗濯や天日干しなどのお手入れはできていますか?
枕は肌や髪の毛に直接触れるため、汗や皮脂、整髪料などのニオイや汚れがつきます。枕のカバーは頻繁に洗っていても、枕自体のお手入れができていないと染みこんだ汚れは落ちません。
今回は日頃使っている枕のお手入れについて、そもそも自分が使っている枕は洗えるのか、洗濯可能な枕の見分け方やお手入れの方法について解説します。洗濯の方法や枕の干し方、便利なグッズなどもまとめて紹介しますので、枕の洗い方がわからない方やこれから一人暮らしで洗濯を自分でしないといけない方はぜひご覧ください。
枕カバーの洗濯だけではだめ? 雑菌が頭皮トラブルの原因に
一人暮らしをしていて、洗い方がわからない、枕を洗ったことがないという方も多いのではないでしょうか。お風呂で身体や髪の毛をしっかり洗っても汚れがすべて落ちるわけではありません。睡眠中に汗やフケ、皮脂といった汚れが枕に吸収されていきます。
1日の3分の1近くを睡眠に費やしているので、その分、枕に頭皮や髪が接している状態になっています。枕カバーを定期的に交換していても、カバーを通して枕まで染みこんだ汚れやニオイはそのままになっています。また天日干しなどをせず、湿気の多く日の当たらない場所に置いたままにしていると、ダニや雑菌が繁殖して、ニキビやかゆみ、抜け毛、加齢臭の原因になります。
清潔な睡眠環境と安眠のためにも枕をお手入れする習慣をつけましょう。
自分の枕は洗える? 枕の素材や中身を確認
枕には素材や中身の材質などによって、自宅で洗濯可能なものと洗濯できないものに分かれています。枕のタグに記載されている洗濯表示(洗濯マーク)を見ると、洗濯できるかどうか、手洗い可能か、また最近では乾燥機対応のものもあるので確認してみましょう。
洗濯できる枕の素材
以下の素材の枕は洗濯することができます。パイプはストローを短く切ったようなもので、多くの枕に使われている素材です。耐久性が高く丸洗い可能な素材として人気です。ポリエステルは綿のような感触で、こちらも使われている枕が多いです。同じ素材でも洗濯に適していないものもありますので必ず洗濯表示を確認するようにしましょう。
- パイプ
- 洗えるポリエステルわた
- 洗えるビーズ
- コルマビーズ、ミニボール
洗濯できない枕の素材
一方で下に記載のものは洗濯することができません。そばがらとは乾燥させた蕎麦の実の殻のことですが、乾きにくく洗うとカビの繁殖につながります。またビーズは洗える場合もありますが、水分を吸収しやすく乾きにくい構造となっています。
羽根枕や低反発ウレタン枕は、ふっくらとした感触が特徴の枕ですが、洗濯するとせっかくの反発力が弱まってしまうので水洗いは控えるほうがいいです。
- そばがら
- 洗えないポリエステルわた
- 洗えないビーズ
- 羽根、羽毛
- ウレタン
枕を洗う頻度は半年~1年に1回がおすすめ
枕が洗える場合、どれくらいの頻度で洗濯すればいいのでしょうか。厚生労働省によると、ホテルや旅館の枕は6ヶ月に1回以上の丸洗いが必要とされています。
自宅の場合は不特定多数の方が枕を使うわけではないので、1年に1回などもう少し頻度が少なくてもいいかもしれません。天日干しや消臭スプレーなどの日々のお手入れをすることでニオイや菌の繁殖を抑えることができます。
ただし清潔を保つためには定期的に洗濯をするようにしましょう。また枕は水洗いするとしっかり乾くまで数日かかることもあります。手入れのことも考えて予備の枕を持っておくといいでしょう。
自宅で枕を洗おう! 洗濯方法のコツ
枕が洗えるものと確認できたら早速、洗濯してみましょう! ここでは枕の洗い方と素材ごとの注意点を紹介します。洗濯機で洗うか手洗いかで手順も異なるのでそれぞれのポイントもあわせて解説します。
洗濯機で洗う場合
用意するモノ
- 洗濯用ネット
- 中性洗剤
手順
- 枕カバーを外す
- 枕に目立つ汚れやシミがある場合は、洗剤を直接つけて汚れを浮かせておく
- 洗濯ネットに入れた枕を洗濯機に入れる
※枕が大きく洗濯機の中で回らない場合は手洗いにしましょう。 - 洗濯機に中性洗剤を入れる
- 手洗いコース、ドライコース、弱水流コースなどで洗濯する
- 洗濯が終わったら、枕の中身が片寄らないよう軽く叩いて均一にする
- 天日干しまたは日陰干しで乾かす
手洗いの場合
枕についているタグに手洗いのマークがついているものや洗濯可能でも洗濯機に入らない場合は手洗いをしましょう。
用意するモノ
- たらいや洗面器などの枕が入る大きさの容器
- ぬるま湯
- 中性洗剤
- バスタオル
手順
- 枕カバーを外す
- 枕に目立つ汚れやシミがある場合は、洗剤を直接つけて汚れを浮かせておく
- 容器にぬるま湯を入れる
- 中性洗剤をぬるま湯に溶かす
- 枕を容器に入れ、枕の中まで洗剤が染みこむようにも揉み洗いする
- 水を流しながら泡が出なくなるまですすぐ
- 乾いたバスタオルで枕の水分をとる
- 天日干しまたは日陰干しで乾かす
素材ごとで気を付けるポイント
ポリエステルわた
ポリエステルわたは洗いすぎると繊維がダマになってしまうことがあります。手洗いの場合は揉み洗いではなく、押し洗いをするようにしましょう。また乾かすときも絞らず押しながら水分を取るようにして、天日干しで乾かすようにすることをおすすめします。
パイプ、ビーズ
パイプやビーズは洗っているときに中身が出てこないようファスナーがしっかり閉まっていることを確認しましょう。
洗ってはいけない枕を洗濯したときはどうすればいい?
ウレタン枕や羽根枕などの枕を洗うと、素材が劣化したり、枕が破けたりしてしまいます。間違って洗濯できない枕を洗ってしまったときは、以下の対処法を試してください。
- 枕全体を押して、水分を取る
- 汚れがある場合は濡れたティッシュペーパーやキッチンペーパーで取り除く
- 風通しのいい場所で日陰干しにする
枕を乾かすコツと素材ごとの干し方
洗った枕を乾かす際にも正しい方法で干すことが大切です。特に手洗いの場合は、完全に乾くのに時間がかかるので、カビが生えたり雑菌が繁殖したりしないようにしっかり乾燥させましょう。
手順
- 枕の中身が片寄らないよう整える
- 風通しが良い場所に平干しにする
※色柄ものの枕なら薄い布をかけておくと色焼け防止にもなります。 - 全体がまんべんなく乾くよう時々枕をひっくり返す
もし枕用の洗濯ネットがあれば、洗った後にハンガーをそのまま通して干せるのでとても便利です。また、枕干し用のハンガーは枕を持ち上げて干すことができるのでぜひ活用してみましょう。
枕の素材別の干し方
天日干し向き:パイプ、ポリエステルわた、そばがら、コルマビーズ、ミニボール日陰干し向き:羽根、ウレタン、ビーズ
洗濯できない枕は天日干しでお手入れ
洗濯できない枕は、日光に当てて干すようにしましょう。週に1回程度、天日干しすることで清潔を保つことができます。またUVランプ機能がついた布団クリーナーを使えば、枕を温めてダニやハウスダストの発生を抑えることができます。
枕を定期的に洗濯して、清潔を保ちましょう
枕の洗濯や乾燥の仕方は、素材や種類によって変わります。まずは使っている枕のタグを見て選択できるか確認してみてください。清潔を保ち長持ちさせるには正しい方法でお手入れすることが大切です。これから枕を買おうと考えている方は洗濯できるかどうかも調べたうえで購入することをおすすめします。
またメイクや化粧を落とさずに寝たり、髪の毛や身体を洗わずに寝たりしていると、汚れが多く枕に付くのでできるだけ避けるようにしましょう。