冬の乾燥はもちろん、ウイルス感染対策としても人気が高まっている加湿器。しかし、加湿器はこまめにお手入れをしないと雑菌が繁殖し、カビが生えてしまいます。汚染された蒸気を吸い込み続けると、「喉が痛い」「咳が止まらない」などの健康被害をもたらす可能性があるため、使用には注意が必要です。
この記事では、加湿器が理由でかかる「加湿器病」やその予防方法、お手入れが簡単で清潔に保ちやすいおすすめ加湿器を紹介します。
加湿器が理由でかかる病気「加湿器病」とは
加湿器が理由でかかる「加湿器病(過敏性肺臓炎)」をご存じでしょうか。加湿器病とは、加湿器のタンク内で繁殖した雑菌やカビによって、身体がアレルギー反応を起こす病気のことです。
主な症状は、咳・たん・発熱・悪寒・吐き気・頭痛など風邪の症状に似ており、悪化すると全身の倦怠感や意識障害、肺炎を発症することもあります。
実際に、加湿器で繁殖したレジオネラ菌という細菌が原因の「レジオネラ症」に集団感染した例があります。2018年に大分の高齢者施設で80~90代の入居者3名が感染し、内1名が亡くなりました。レジオネラ症は免疫力の低い新生児や高齢者がかかりやすいため、加湿器を使用する際はこまめなお手入れが必要です。
加湿器を清潔に保つ方法
加湿器のタンクに入れる水道水には少量の塩素が含まれており、カビが生えにくくなっています。しかし、水道水の殺菌効果は長く続かないため、タンクの中に水を入れたままにしておくと雑菌が繁殖してしまいます。
加湿器を清潔に保つには、「タンクの水をこまめに入れ替える」「定期的に掃除をする」「使用しないときは水を抜いて乾燥させる」という3点に気を付けて使用するようにしましょう。
タンクの水をこまめに入れ替える
レジオネラ菌は水のぬめり内で増殖するので、前日残った水をそのまま使ったり、継ぎ足したりするのはNG。タンクの水は毎日入れ替えるようにしましょう。少量の水を入れてから振り洗いをすると、タンク内を清潔に保つことができます。
定期的に掃除する
常に水に濡れた状態のタンクやフィルターは雑菌やカビが繁殖しやすくなっています。1~2週間に1回は念入りな掃除が必要です。フィルターは水洗いしたあと、清潔な布で優しくふき取り、トレイはスポンジでこすり洗いします。
掃除の頻度や掃除方法は加湿器によって異なりますので、メーカーの取扱説明書に従って行いましょう。
使用しないときは水を抜いて乾燥させる
長期間使用しないとき、水を抜いただけでは残った水滴から雑菌が増殖する可能性があります。水を抜いたあとは、しっかり乾燥させるようにしましょう。
お手入れが簡単な加湿器の選び方
面倒なお手入れが少しでも簡単になる加湿器を選びたいですよね。ここではメンテナンスしやすい加湿器を選ぶポイントを4つご紹介します。
加湿器の種類とおすすめ
加湿器は加湿方式によって「スチーム式(加熱式)」「気化式(ヒーターレス)」「超音波式」「ハイブリッド式」の4つに大別されます。
この中でおすすめなのはスチーム式(加熱式)の加湿器です。レジオネラ菌は60℃の環境下なら5分で死滅すると言われており、水をヒーターで加熱、煮沸消毒された蒸気で加湿するスチーム式の加湿器なら、加湿器病の原因菌が増殖するリスクが低くなるからです。
お手入れしやすい構造の加湿器を選ぶ
シンプルなタンクのみの加湿器なら、毎日の水替えとタンクの振り洗いで清潔な状態を保ちやすく、お手入れが簡単。水を入れるタンクは口が広いものを選ぶと手を入れて洗いやすく、給水もしやすいのでおすすめです。
フィルター付きはお手入れに手間がかかる
気化式、ハイブリッド式(加熱気化式)の加湿器にはフィルターが付いています。フィルターは常に水を含んでいるため、お手入れを怠ると雑菌が繁殖してカビの原因になります。カビや雑菌を防ぐために、面倒でも定期的にお手入れしましょう。
清潔を保つ機能で選ぶ
お手入れの面倒なフィルター付き加湿器ですが、抗菌・防カビ機能を搭載したモデルもあります。通常のフィルターと比較して、雑菌やカビが繁殖しにくいので安心です。ただし、消耗品になるのでメーカー推奨のタイミングで交換するようにしましょう。
お手入れが楽なおすすめの加湿器
最後にお手入れが楽なおすすめの加湿器を2つご紹介します。
ZOJIRUSHI(象印マホービン) | スチーム式加湿器EE-DC50-WA
象印のスチーム式の加湿器EE-DC50-WAは電気ポットと同じ構造の加湿器です。フィルターがなく、口が広いのでお手入れが簡単。給水も蓋をあけて直接注ぐことができます。
チャイルドロック、ふた開閉ロック、転倒時のもれ防止構造でお子さんのいるご家庭でも安心して使えるでしょう。
SHARP(シャープ) | ハイブリッド式 加湿器 HV-P55
シャープのハイブリッド式加湿器HV-P55は独自の空気清浄技術、プラズマクラスターを搭載。カビやウイルス、においまでしっかり除去します。抗菌・防カビ仕様のフィルター、水中の菌の抑制効果があるAg+イオンカートリッジなど徹底した清潔設計です。
また、パーツを取り外せば内部まで拭き取りしやすく、お手入れも簡単です。
冬の乾燥対策なら加湿器は必須! 毎日を快適に過ごそう
お手入れが簡単な加湿器の選び方と、おすすめモデルをご紹介しました。加湿器をしっかりお手入れして、加湿器病の原因となる雑菌やカビを寄せ付けないようにしましょう。
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