日本に古来から伝わる「おもてなし」。ホテルやレストランなど、接客業界では頻繁に耳にする言葉です。
「おもてなし」は古くから用いられてきた言葉ですが、2013年の東京オリンピック開催誘致のためのプレゼンデーションで一躍有名となりました。プレゼンテンターを務めていた滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」の発音も、とても印象的でしたよね。「おもてなし」の精神を学ぶことは、サービスの向上や顧客満足度の向上、ひいてはリピーターの獲得にもつながります。
しかし、「おもてなし」の正しい意味を理解している方は、実はそれほど多くありません。また、「おもてなしの精神を導入したいと思いつつも、具体的に何をすればいいかわからない」という方も多いかと思います。そこで今回は、「おもてなし」の本来の意味をご説明するとともに、具体的なポイント、接客例などを解説します。
ホテルにとっての「おもてなし」の意味
「おもてなし」とは、そもそも「もてなす」に丁寧語の「お」がついた言葉です。お客様に対する、心をこめた接遇やサービスのこと意味します。似たような言葉に「ホスピタリティ」という単語がありますが、こちらは主に目の前にいる相手に対する心配りのこと。対して、「おもてなし」は今、目の前にいない相手にも心を配るというニュアンスが含まれています。
たとえば「お客様が心地良く過ごせるよう、客室に花を生ける」「お客様が肌寒いと感じられたときのために、ブランケットのレンタルを用意する」などなど…。「おもてなし」と「ホスピタリティ」はとてもよく似た言葉ですが、前者はより精神性の強い言葉として使用されます。「このホテルは真心がこもっている」「スタッフの親切心を感じる」など、人の心と心が通じ合うような接遇を意味すると考えてもよいでしょう。
つまり、お客様を真心こめてお迎えする(=もてなす)ことこそが、ホテルにとっての「おもてなし」なのです。
その上で最も大切なのは、サービスそのものよりも、「お客様に喜んでいただきたい」という気持ち。先の例で言えば、「マニュアルにあるから、お客様用にブランケットを用意しておく」のではなく、「お客様が風邪をひいたりしないよう、ブランケットを用意しておこう」と自発的に思う心が重要です。
おもてなしのポイント
「お客様を喜ばせたい」という思いさえあれば、「おもてなし」の精神は自然と身に付くはず。とはいえ、お客様へ「おもてなし」の心を伝えるためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
どんなに温かな真心も、相手に伝わってこそ。ここからは高級ホテルで実践されている接遇を参考に、「おもてなし」のポイントをまとめましょう。
特別感を感じさせる
お客様に「あなた様を心より歓迎いたします」という心を伝えるためには、特別感を感じさせることが重要です。
そこで、一流ホテルでも頻繁に行われている「ネームコール」を実践してみましょう。ネームコールとは、お客様に接する際に「◯◯様」とお名前を呼ぶことです。
ちょっと想像してみてください。朝、職場の同僚と会った際に、ただ「おはようございます」と言われるよりも、「◯◯さん、おはようございます」と呼ばれるほうが、相手に親近感を覚えませんか? これは、名前を呼んだことで、両者の間に親密さや特別感が生まれたためです。
他にも、お客様が以前いらしたときのことを詳細に覚えておくなど、“あなただけ特別”を感じさせるような接客を心がけましょう。
情報の共有
一流ホテルでは「このあたりで一番評判の良いレストランはどこ?」「明日、このあたりを散策したいのだけれど、おすすめはある?」など、お客様から宿泊施設としてのサービス以上のおもてなしを求められます。
たとえばお客様からおすすめのレストランについて尋ねられたとき、自分のお気に入りの店を教えるだけでは少し不十分。真心を持って接するならば、お客様の年齢層や、服装からわかる趣味を想定し、ベストな選択肢をご提案すべきです。
こうしたサービスを提供するためには、周辺地域の情報にアンテナを張り続け、時には評判の店へ直接足を運ぶなど、勉強する姿勢も重要でしょう。また、お客様からの質問に答えるだけでなく「まだお手伝いできることはございませんか?」と、奉仕と利他の精神を表すことも大切です。
一歩踏み込んだ対応
マニュアルに沿った四角四面の対応では、お客様の心をつかむことはできません。表面的、標準的な接遇から、一歩踏み込んだ対応を心がけましょう。ヒントは、お客様との会話に隠れています。
たとえばホテル内ですれ違った際、お客様から「今日は観光の予定なのですが、一段と冷えそうですね」という言葉を聞いたとします。後々お部屋へ使い捨てカイロをお届けすれば、お客様からきっとお喜びいただけるはずです。こうした+αのサービスはお客様の記憶に深く刻まれ、「またここに泊まりたい」と思っていただくきっかけにもなります。
また、外国からのお客様がいらしたときには、その国の言葉で挨拶を交わすのも有効です。時にはマニュアルを外れて、お客様一人ひとりに寄り添った対応を目指してみましょう。
おもてなしの例・エピソード
ここからは、「おもてなし」の実例やエピソードをご紹介します。これから普段の接客に「おもてなし」の精神を取り入れたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみましょう。
客室に折り紙や手紙を置く
ホテル従業員がお客様と接する機会は、実はそれほど多くありません。たとえばフロントマンであれば、チェックイン・チェックアウト時の2回。清掃員の場合、お客様と一度も顔を合わせないということも少なくないのではないでしょうか?
そこで、とあるホテルでは、客室に折り紙や手紙を置くサービスを実施しています。折り紙は鶴の形に折り、寝具の上へ。これは「ベッドメイキングが完了しました」ということをお客様へ伝える手段にもなりますし、手作業で折られた鶴にはなんだか温かみを感じますよね。
また、手紙はベッドサイドの上へ。「◯◯様。この度は当ホテルへご宿泊いただきありがとうございました。良い一日をお過ごしください。」といったように、簡潔かつ誠意の伝わるような文面となっています。従業員とお客様が直接やり取りをするわけではありませんが、さりげない真心が伝わるサービスです。
旅のアドバイス
観光目的のお客様に対して、地元の人に人気のレストランや観光スポットを提案するホテルも少なくありません。観光ガイドに載っているようなお店だけでなく、地元ならではの情報が知れるというのはうれしいですよね。「ここからバスが出ているので、この順序で回るのがおすすめですよ」など、地域の情報を知り尽くしたプロならではの目線でアドバイスを行うのもよいでしょう。
ホテルのおもてなしなら漫画コーナー設置もおすすめ
「おもてなし」の一環として、ロビーや休憩室に雑誌や本を置くホテルも少なくありません。
特に、漫画は幅広い年代に訴求でき、海外からのお客様からも好評を集めています。とはいえ、大量の漫画を管理するのは大変ですよね。そこで、近年注目を集めているのが店舗向けの漫画レンタルサービス。
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