赤ちゃんを車に乗せるときのチャイルドシート着用義務は、今や当たり前となっています。今回は、これから子どもが生まれるプレママの皆さんに、チャイルドシートに関する法律や違反したときの罰則について紹介します。
退院時に車で帰宅する場合から着用が必須なので、出産前に正しいルールを知って、チャイルドシートの準備を始めましょう。
チャイルドシートの着用義務は年齢6歳未満の子どもが対象
2000年4月1日の道路交通法改正により、年齢6歳未満の子どもがチャイルドシートの着用義務の対象となりました。道路交通法とは日本の法律で、道路における危険を防止し安全のために車の運転手や歩行者が守るべきルールのことです。
チャイルドシート未使用時との安全性の違いは?
平成28年から令和2年に警察庁が行った調査によると、チャイルドシート未使用時の致死率はチャイルドシート使用時の約8.1倍です。チャイルドシートを使用することで、事故に遭ったときに子どもの命を守れる可能性が高くなるのです。
また、チャイルドシートを取り付けていても、誤った使い方をすると本来の安全性が発揮されないため、チャイルドシートの種類や正しい装着方法を知っておくことが重要です。
- 車両への取り付けを確実に固定する
- チャイルドシートは子どもの体型に合わせる
- 可能なら助手席ではなく、後部座席で使用する
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チャイルドシートは義務期間を超えたら不要?
6歳を過ぎたら法律上での着用は不要となりますが、それで本当に問題ないのでしょうか。義務ではなく、子どもの安全を守るためにはどうすればよいのか考えていきましょう。
シートベルトは140cm以上の想定身長を目安に設計されているため、チャイルドシートの義務期間を過ぎたからといって不要というわけありません。身長が140cmより低いと、事故の衝撃に耐えられなかったり、ベルトが首にかかったりするおそれがあり安全性を保てません。法律の面だけではなく子どもの安全性を考えると、140cmに満たない子どもはチャイルドシートやジュニアシートが必要です。
文部科学省の年齢別平均身長の調査では、10歳男子で138.9cm、10歳女子で140.2cmのため、10歳から11歳くらいまでの子どもはジュニアシートを使用するといいでしょう。
チャイルドシートの種類と着用の目安
チャイルドシートの種類と着用年齢の目安をまとめました。成長に応じてベビーシートからチャイルドシート、ジュニアシートへ切り替えましょう。
- ベビーシート (新生児・乳児)→ 体重13kg未満 身長70cm以下
- チャイルドシート(幼児) → 体重~18kg 身長40~105cm
- ジュニアシート(学童)→ 体重15~36kg 身長95~145cm
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子どもへのチャイルドシート着用義務を違反したときの罰則・罰金
6歳未満の子どもにチャイルドシートを着用させていないと「幼児用補助装置使用義務違反」に該当し、罰則の対象となります。自家用車だけではなく、レンタカーでも同じく義務化されているので、利用される場合は必ずチャイルドシートも忘れず用意するようにしましょう。
- 幼児用補助装置使用義務違反による罰則
違反点数1点
反則金(罰金)なし
違反点数とは減点式ではなく、過去3年以内の違反点数が合算され、一定の点数に達すると免許の停止や免許の取消処分が行われます。違反点数のためだけではなく、子どもの命のためにもチャイルドシートをつけるようにしましょう。子どもの命はかけがえのないもので、いくら悔やんでもあとから取り戻せません。
チャイルドシート着用義務が免除される条件
乗車する車や状況によっては、チャイルドシートの着用義務が免除される場合があります。ここではその例外にあたる条件を紹介します。
座席の構造上、チャイルドシートを取り付けできない場合
座席の構造上、チャイルドシートを取り付けできない場合は免除されます。チャイルドシートを取り付けできない場合とは、車にシートベルトがついていない場合や2点式シートベルトを使用しているなど特殊な車に乗るときです。
日本で生産された車にシートベルトの設置が義務付けられたのは、1969年です。1969年以前に生産された車でシートベルトがついていない場合は、チャイルドシートを装着していなくても免除されます。また1994年3月以前に製造された車は、2点式のシートベルトの可能性が高いです。
幼稚園の送迎バスは着用義務が免除されている?
幼稚園の送迎バスは以下の理由から、チャイルドシートの着用義務が免除されています。
- 緊急のとき、幼児が自分でベルトを取れない可能性が高く脱出が困難になる
- 幼児の体格は学年によってさまざまなため、一定のチャイルドシートの設置が難しい
- 幼稚園教諭のチャイルドシート付け外しの手間が発生する
国土交通省の調査によると、平成15年から平成20年の間における幼稚園のバスによる事故死亡者は0で、事故の発生数もバス・マイクロバスの10分の1程度でした。
チャイルドシートを使用すると定員人数の乗車ができない場合
チャイルドシートを使用すると定員人数の乗車ができない場合、チャイルドシートの着用が免除されます。
子どもの病気やケガで、チャイルドシートを使用しないほうがいい場合
子どもの病気や怪我で、チャイルドシートを使用しないほうがよい場合は免除されます。皮膚病や股関節の脱臼など、チャイルドシートを使用すると治療に悪影響がでる場合が挙げられます。
肥満や身体的問題で、チャイルドシートの使用が適切ではない場合
肥満や身体的な問題で、チャイルドシートの使用が適切ではない場合は免除されます。例えば首がまだすわってないけれど体重は重いなど、乳児用チャイルドシートを使用するのが適切ではない場合などです。
授乳やおむつの交換など、子どもの世話をする場合
運転者以外の人がチャイルドシートをつけたままではできない、授乳やおむつの交換といった子どもの世話をするときは免除されます。
ただし、授乳やおむつの交換をするときは安全のため、できるだけどこか停車できる場所を探し、車を停めてから行いましょう。赤ちゃんがお腹を減らす時間を想定し、事前に停車できる場所で授乳をしてから車を走らせると安心です。
バスやタクシーに乗車する場合
運転手が事前に子ども何人を乗せるのか予想できない、シートベルトがない、2点式の座席が多いなどの理由から、バスやタクシーに乗車する場合もチャイルドシートの使用が免除されます。
許可された自家用運送車に乗る場合
あまりないケースですが、道路運送法第78条の2項と3項に該当する自家用運送車に乗る場合は、チャイルドシートの使用が免除されています。
応急救護で病院に連れていく場合や迷子を保護して警察に連れていく場合
応急救護で子どもを病院に連れていく場合や、迷子を保護して警察に連れていくなど、緊急性が高い場合はチャイルドシートの着用が免除されます。
正しい方法を理解して、安全・快適なドライブを
赤ちゃんの頭の骨は柔らかく、事故の衝撃を受けると重い障害が残ってしまう可能性があるため、チャイルドシートの着用が必要です。
チャイルドシートは子どもが成長すると、年齢や体格で買い換えが必要です。また車でのお出かけが少ない場合は、保管スペースも気にしなくてはなりません。レンタルサービスを活用すれば、買い換えにかかるコストや管理の手間を減らせるため便利です。
重要なのは、大切な赤ちゃんの安全を守ること。義務や法律ではなく、赤ちゃんのために、チャイルドシートを正しく活用しましょう。