これからのホテルコンセプトはどうあるべき？ 面白いコンセプトホテルも紹介

コンセプトホテルをご存知でしょうか。コンセプトホテルとは独自の個性やデザイン・テーマを打ち出し、そこでしか体験できないサービスを提供するユニークなコンセプト設計を持ったホテルのことです。

ホテルに求められる要素は食事、温泉、アクティビティ、サービス…など数多くありますが、近年、このコンセプトホテルが数多く誕生し、特定のターゲット層のユーザーに強烈なインパクトを与え、SNS上でも話題になっています。

これからの時代のホテルコンセプトの作り方・ポイント

最近では、全国各地の特色を活かしたホテルやユニークに富んだホテルなど、宿泊客を魅了するコンセプト設計によって、売上を伸ばすホテルが増えています。

コンセプトがしっかりしているホテルであれば、観光客は観光の「ついで」に宿泊するのではなく、そのホテルに「宿泊すること自体が目的」となるので、競合他社との差別化も容易になります。

非日常体験の提供

コンセプトホテルは、単なる宿泊場所としてではなく、非日常体験を味わえることが一つのポイントです。詳しくは後ほど説明しますが、最近は「泊まれる○○」などのコンセプトで非日常を提供するホテルが増えています。なかには、海を移動する旅館や、氷でできたホテル、古代人の竪穴式住居、遊牧民族のゲルなど、「そんなところに泊まれるの？」と驚くような施設もあります。

さらに、その宿ならではのコンセプト、テーマにあった衣装に身を包んだり、そこでしかできないアクティビティを満喫したり。異世界を旅するかのような、とびっきりの非日常体験をしてみると、また格別の思い出作りになります。 現実離れした場所に泊まるのは少し勇気が必要かもしれませんが、気心知れた友達や家族などと一緒に泊まれば、ワイワイ楽しい旅になるはずです。

「ライフスタイルホテル」と呼ばれるホテルもある

コンセプトホテルと似たような存在として「ライフスタイルホテル」もあります。両者はしばしば混同されがちですが、「ライフスタイルホテル」はデザイン性の高い空間と、宿泊以外の付加価値を備えたホテルのこと、とされています。

ライフスタイルホテルはホテル独自のテーマに基づいたデザイン性の高さや、スタイリッシュさが人気です。また、自宅や職場以外のくつろげる場所、「第三の場（サードプレイス）」としての役割を持つことや、宿泊者同士の交流の場を提供することもライフスタイルホテルの重要な機能とされています。また、高級ホテルチェーンが運営しているライフスタイルホテルも多く、ホテル自体の品質も高い施設が多いことも特徴です。

ライフスタイルホテルとコンセプトホテルはそれぞれ違った特徴がありますが、「宿泊体験そのものを楽しむ」「宿泊以外のさまざまな付加価値がある」といった点は共通していると言えるでしょう。

面白いコンセプトのホテル事例

ここからはユニークなコンセプトで競合他社との差別化に成功しているホテルを紹介します。非日常を提供するホテルにとって、コンセプト設計は非常に重要です。最近では、全国各地の特色を活かしたホテルなど宿泊客を魅了するコンセプト設計によって、売上を伸ばすホテルが増えているようです。

コンセプトがしっかりしているホテルであれば、観光客は観光の「ついで」に宿泊するのではなく、そのホテルに「宿泊することが主目的」となるので、競合他社との差別化も容易になります。

具体的にはどのようなホテルがお客様から支持を得ているのでしょうか。面白いコンセプトを打ち出すホテルでは、たとえば「自然満喫型」「アート型」「日本文化型」「異国体験型」「独創型」などのさまざまなカテゴリを企画・設定することにより、差別化を図っていっています。

氷のホテル

北海道にある「氷のホテル」をコンセプトとしたホテルでは、氷のベッドや氷の露天風呂が楽しめます。氷のホテルは、ドーム型の天井や壁、家具などすべてが氷で造られており、氷に囲まれた幻想的な世界で宿泊体験ができる場所です。

このホテルは、壁・天井が継ぎ目のない一枚の氷でできており、さらにベッドや椅子・机まですべてが氷です。 厚い氷で造られた室内は、外からの音が遮られ、音のない静寂な一夜を過ごせます。

寝具には、寒冷地仕様のシュラフ（寝袋）が用意されているので、朝まで暖かく快適に眠ることができます。ここでは、幻想的な空間での非日常感を思う存分に楽しめます。

アートをテーマにしたホテル

アートをテーマにしたホテルも人気です。東京にあるアートをテーマとしたシティホテルでは、アーティストが内装を手掛けた「アーティストルーム」に泊まることができます。部屋自体がアート作品となっているところもあります。

また、レストランでもアート作品をテーマとしたメニューなどを楽しむことができるところもあります。全館フルにアートに包まれたホテルでは、アート欲を満たしてくれる貴重な滞在空間でリラックスできそうですね。

泊まれる映画館

「泊まれる映画館」をコンセプトとしたホテルでは、映画を見ながらテントスペースでそのまま眠ることができます。館内にはラウンジ兼フロントのある部屋と、シアター兼宿泊室の2室。機能としてはホステルと映画館を合わせたような施設です。

他のお客さんとは仕切られたプライベートなスペースで、足を延ばしてリラックスして鑑賞することができます。映画を観ながら寝てしまう人も多いんだとか。日中はカフェとして営業しつつ上映もしているので、宿泊でなくてもこのリラックスした空間を楽しむことができます。

ブックホテル

「泊まれる本屋」ともいわれるブックホテルも近年増えています。こだわりのラインナップの本を楽しみながらゆっくりと滞在することができます。

本好きにはたまらない、ブックホテル。気ままに本を手に取ってみたり、時間を気にせず読書に没頭したり、さまざまな過ごし方ができるとあって近年人気を集めています。

また、本が天井までずらりと並ぶ大きな本棚やくつろぎのライブラリー空間は、フォトジェニックスポットとしても話題です。

気分によってその日の一冊を選び、客室で夜通し本の世界に没頭してもらう、という新たなステイを提案しているホテルもあります。話題のブックホテル、新たな旅の目的に取り入れてみてはいかがでしょう。

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