赤ちゃんの誕生を報告し、すこやかな成長を願う「お宮参り」。生後1ヶ月が近づくと、赤ちゃんに着せるお宮参り着をご準備されることでしょう。しかしお宮参り着を用意したものの、初めてなので着せ方がわからないという方も多いはず。
そこで今回はお宮参りの基礎知識をはじめ、準備する着物や小物、赤ちゃんへの着物の着せ方について紹介します。
お宮参りとは
赤ちゃんにとって初めてのイベントである「お宮参り」。氏神様に赤ちゃんが生まれたことを報告し、すこやかに成長するようにとお祈りするための行事です。赤ちゃんにお宮参り着（産着・祝着）を着せて神社に詣でます。
お宮参りに行く日は、男の子は生後31日目～32日目、女の子は生後32日目～33日目とされてきましたが、現代では生後1ヶ月頃を目安にするご家庭が多いようです。赤ちゃんの体調や気候・両家の祖父母とのスケジュールなどを考慮して、都合のよい日を選ぶのが良いですね。
お宮参りで赤ちゃんが着るものと必要なもの
お宮参りの際は赤ちゃんに掛ける着物をはじめ、縁起の良い小物を身に付けます。衣装や小物は当日までに購入またはレンタルしておきましょう。
産着・祝着
「産着（うぶぎ）」はお宮参りで着る伝統的な着物です。「祝着（のしめ）」「祝い着」「掛着」「初着」などとも呼ばれます。赤ちゃんに白羽二重の内着を着せ、抱っこする祖母や母親を包むように産着を着せるのがお宮参りの正装です。産着の色柄は豊富なので、ママパパの好みに合ったものを選んでください。
また産着は着物用の下着である襦袢とセットになっているものがほとんどです。レンタル衣裳の場合も襦袢を一緒に借りられるので、別途で用意する必要はありません。
帽子・よだれかけ
生後1ヶ月の赤ちゃんは肌が弱く、外気に触れるだけでも強い刺激になります。そのため帽子を被せて、日差しや風などから守ってあげます。和装の場合は大黒帽子、洋装の場合はフリル付きなどの洋装の帽子を用意しましょう。
また、よだれかけは、よだれや吐き戻しで産着が汚れてしまうのを防いでくれます。帽子とあわせて準備しておきましょう。
お守り
房飾りがついた巾着状の小さなお守りを、産着の紐に吊るします。男女兼用できる白や、着物の色に合わせたものなどを用意します。
産着・祝着の下に着るものは？
産着の下には白羽二重を着るのがお宮参りの正装ですが、現代ではベビー服などの洋装で済ませるご家庭が多い傾向です。気候にあわせてロンパースやカバーオール、肌着などの赤ちゃんが過ごしやすい恰好で問題ありません。
ベビードレスを着せてあげるご家庭も増えています。和洋両方のお祝い衣装を思い出に残せるので、ぜひおすすめですよ。
お宮参りに着る着物の着せ方
お宮参りの着物は赤ちゃんに着せるのではなく、抱っこする祖父母や母親が覆うように羽織ります。正式には父方の祖母が抱きますが、ママやパパが抱っこしても問題ありません。
羽織る前に、着物と襦袢が重なった状態にセットします。着物と襦袢に付いている紐を重ねて、左右それぞれの袖の中に通せば準備OKです。
赤ちゃんに帽子・よだれかけを着けたら、横抱きしましょう。先ほど通した着物と襦袢の紐を持って、赤ちゃんの顔が見えるよう着物で包むように掛けます。抱っこしている方と反対側の肩に紐をかけ、肩の後ろでしっかりと蝶々結びをします。お守りは着物の紐に通して、背中の左側に吊るしましょう。
赤ちゃんに着物を着せるタイミングは？
赤ちゃんに着物を着せるのは神社についてからがおすすめです。自宅で産着を着てきてしまうと、シワや着崩れの原因になったり、赤ちゃんのよだれや吐き戻しで汚れてしまったりする場合があるからです。
また、抱っこしている人も疲れてしまいますし、車の乗り降りの際に着物を踏んで転倒する恐れもあります。
袖に紐を通してシワにならないよう畳んで風呂敷や箱などに入れて持って行けば、着せる時にスムーズです。神社に到着したら、手水の後に産着を着用しましょう。
お宮参り当日に慌てないように準備しておくこと
赤ちゃんを連れてお宮参りへ行くのは何かと大変です。当日慌てないためにも、事前準備をしておきましょう。これから紹介する3つのポイントを押さえておけば、当日スムーズかつキレイに産着を着せてあげられますよ。
着物をハンガーに干す
お宮参りの前日に暗い室内で着物をハンガーに干すと、シワが取れて当日キレイに着用できます。長時間干しっぱなしにすると型崩したりホコリが付いてしまったりするので、半日ほどを目安にしましょう。
また直射日光や蛍光灯の明かりは、着物の変色や色褪せの原因になります。必ずカーテンを閉め、照明を消した暗い部屋で行いましょう。
着物紐と襦袢紐の袖通し
着物紐と襦袢紐の袖通しを事前にしておけば、当日スムーズに着物を羽織れます。袖通しの作業はキレイな机や畳の上、または和装用のハンガーに吊るした状態で行うと着物を汚す心配がないですよ。
自宅で練習
当日スムーズに産着を着用できるように、自宅で何度か練習しておくのがおすすめです。外で首すわり前の赤ちゃんに産着を着せるのは案外難しく、戸惑ってしまうこともあります。
お宮参りの当日までに、鏡の前で何度か練習しておくと安心です。着物の柄の位置や、襦袢がはみ出していないかなどチェックしましょう。
着せ方を事前に確認してお宮参りをスムーズに
お宮参りの着物は紐を結ぶだけで着用できるので、さほど難しくありません。事前に何度か練習しておけばキレイに着せてあげられますよ。伝統的な着物で、素敵なお宮参りの思い出を飾りましょう。
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