近年注目を集めている暖房器具である「オイルレスヒーター」。ノンオイルヒーターまたはオイルフリーヒーターとも呼ばれ、灯油いらずで稼働音も静か、また従来型のオイルヒーターと比較して電気代が低く抑えられる点が魅力です。
今回はオイルレスヒーターの特徴やメリット・デメリットに加え、気になる電気代の計算方法や節約術について解説。後半ではおすすめのメーカーについてもご紹介します。
オイルレスヒーターとは
オイルレスヒーターとは暖房器具の一つで、部屋の空気を機械内部のヒーターで暖めた後、放熱する仕組みの家電のことを指します。内部でオイルを使わないのが最大の特徴で、輻射(ふくしゃ)熱を利用しているため、暖かさが部屋中にじんわりムラなく伝わるのが特徴です。
空気を通して熱を伝えるエアコンと比較して、部屋が乾燥しにくく動作音もとても静か。また、灯油やガスといった燃料を使うこともないため、空気がクリーンに保たれる家電製品として注目されています。
オイルレスヒーターとオイルヒーターの違い
名前が似ていて混同しがちなオイルヒーターとオイルレスヒーター。どちらも空気が乾燥しにくく静音性が高いなど共通点はあるものの、構造が異なります。
オイルヒーターは機械内部のオイルを加熱し、間接的に空気を暖める仕組みです。一方、オイルレスヒーターは取り込んだ空気自体を直接暖めるので、オイルヒーターと比較してスピーディーに部屋を暖めることができます。
また電気代はオイルレスヒーターの方がやや安く、中にオイルが入っていないため軽く移動させやすいのも特徴です。
オイルレスヒーターのメリットとデメリット
オイルレスヒーターのメリットとしては、エアコンのように温風を出さないので、空気が乾燥しにくい点が挙げられます。
また本体は手がふれてもやけどしにくい温度に保たれているので、ペットや小さなお子様のいるご家庭でも安心。加えて、石油ストーブのように燃料を使うことがないないため空気が汚れにくい点も特徴です。
一方デメリットとしては、ほかの暖房器具と比較してやや消費電力が大きく、電気代が高くなる傾向にあるといったところが挙げられます。
オイルレスヒーターの電気代
さまざまなメリットがあるオイルレスヒーターですが、やはり気になるのは電気代ですよね。以下ではオイルヒーターとの電気代の比較や、オイルレスヒーターの電気代の計算方法についてご紹介します。
オイルヒーターとの電気代を比較
オイルレスヒーターの電気代は、一般的にオイルヒーターよりは安くなる傾向にあります。
たとえば600〜1500Wの場合、オイルヒーターの電気代が1時間あたり約16〜40円だとすれば、オイルレスヒーターの場合は約8〜32円となります。目安として、エアコンの電気代と同程度だといえるでしょう。
オイルレスヒーターの電気代の計算方法、節約はできる?
オイルレスヒーターの電気代の目安としては、暖房器具メーカー・ディンプレックス(Dimplex)の公式サイト情報が参考になります。
同社サイトの試算によれば1kW=27円で考えた場合、1時間あたりの電気代は約8円~32円となっています。たとえば室内温度が16℃だった場合、1時間あたり8円、1日あたり71円、1ヶ月あたり2,130円の計算となります。
なお、オイルレスヒーターの効果を最大限に発揮させるためには、置く場所がとても重要です。最もおすすめの置き場所は「窓際」。
窓際に置くことで冷気の侵入をブロックしてくれます。もし、どうしても窓の近くに置けない場合は壁際に置くとよいでしょう。とにかく冷気が入ってくるところに意識的に置くようにすると、オイルレスヒーターの暖房効果を一気に高めることができますよ。
加えて機種によっては「自動温度調節機能」や「ecoモード」が付いているものもあるので、そういった省エネ機能付きのモデルを選ぶと電気代の節約に効果的でしょう。
オイルレスヒーターの選び方
多くの暖房器具には「適用床面積」が設定されていますが、オイルレスヒーターの場合でいうと、適用範囲6~8畳程度、または10~13畳程度のものが一般的です。
オイルレスヒーターは部屋の空気を直に暖めるため、人物に集中的に使用するという使い方よりも、部屋全体を暖めるイメージで使用するのがいいでしょう。そのため使用する部屋の広さと、オイルレスヒーターの適用床面積は要チェック項目です。
また容易に稼働できる点が魅力のオイルレスヒーターですが、重いものだと15kgを超える製品もあります。昼夜で使う場所を変えたり、来客時にスムーズに移動させたりといった使い方がしたい場合には、軽量化にこだわったモデルを選ぶことも検討しましょう。
そのほかの機能として、小さなお子様のいるご家庭では必須の「チャイルドロック」機能に加え、収納に便利な「折りたたみ式」、また必要に応じて安全面に配慮した「転倒時電源遮断装置」や「過昇温度防止装置」などの機能付きを選ぶものおすすめです。
オイルレスヒーターのおすすめメーカー
注目度大のオイルレスヒーター。以下では、オイルレスヒーターの取り扱いで多くの実績のある3つのおすすめメーカーをご紹介します。
ディンプレックス(Dimplex)
ディンプレックスは、イギリスを代表する生活家電のメーカーであるグレン・ディンプレックス社のメインブランドです。同社は1961年の設立以来、世界最大の家電メーカーとしても知られており、さまざまな暖房器具を手掛けています。
ディンプレックスのオイルレスヒーターは豊富なラインナップが魅力。バリエーション豊かな価格帯の中から欲しい機能に応じて最適なモデルを選べるでしょう。特にオイルレスヒーターに軽さを求めるなら、9kg台の軽量モデルがおすすめです。
デロンギ(DeLonghi)
北イタリアに本社を構える1902年設立の老舗電気機器メーカー、デロンギ。オイルヒーターをはじめとした暖房器具や、コーヒーメーカーなどの調理家電でも有名です。
デロンギからは「マルチダイナミックヒーター」という名称でオイルレスヒーターが発売されています。デロンギのオイルレスヒーターの最大の特徴は静かな運転音。
ほとんど作動音が聞こえないくらいの静かさを実現しているので、勉強や仕事で集中したい時や、就寝時などのリラックスタイムにもストレスフリーな使い心地です。
コロナ(Corona)
日本を代表する電機メーカーの一つである株式会社コロナ。新潟県三条市に本社を置き、石油ストーブなどの暖房機器のほかエアコンや除湿器・加湿器といった空調機器、また給湯器などといった住設機器でも知られています。
コロナのオイルレスヒーター「ノイルヒート」は独自開発の高密着FIXALヒーターが放熱ロスを防ぎ、効果的に部屋を暖めます。また空気を暖める「輻射」と空気を循環させる「対流」の2つの作用によって、部屋の温度にムラが出にくいのも特徴です。
すっきりとしたデザインで、軽量かつキャスター付きなので移動や収納が楽にできるのもうれしいポイント。
オイルレスヒーターで快適な冬を!
オイルレスヒーターはオイルヒーターのメリットを継承した上で、さらに使いやすさと環境への配慮がなされた新時代の家電といえるでしょう。オイルヒーターと比較しても、空気を汚さない、乾燥しない、燃料が不要、電気代もやや安いなど多くのメリットがあり、特に赤ちゃんや小さなお子様のいるご家庭にはおすすめです。
生活に役立つ豆知識をお届けしているAQレントでは、生活家電のレンタルサービスを提供しています。必要な期間だけ置いておきたい、複数のタイプを試してみたいといった場合も、レンタルがおすすめ。初期費用や処分の手間が省けるので便利ですよ。